大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)とローソンは11月13日から、Osaka Metro御堂筋線なかもず駅に、商品を手に取って店の外に出るだけで買い物ができるウォークスルー決済導入店舗「S Lawson Go OSL なかもず駅店」をオープンした。ローソンの同タイプの店舗は、東急電鉄二子玉川駅構内の店舗に続く全国2店舗目で関西では初となる。
駅の利便性向上に積極的に取組むOsaka Metroとリアル店舗とデジタル技術の融合を目指すローソンがコラボ。1日当たり約7万人のなかもず駅利用者が、駅内での買い物を最短時間で行え、かつ店舗運営の効率化を可能とするウォークスルー決済導入店舗を展開している。
店舗フォーマットはNTTデータと店舗DXソリューションを手掛ける海外スタートアップ・Cloudpick(クラウドピック)が協働で開発したシステム「Catch & Go」を採用。利用者はLINEで取得したQRコードをかさじて入店し、商品を持って店外に出ると事前に設定したクレジットカード情報で自動的に決済される。最短5秒での買い物が可能。店内にセットした15台のAIカメラで買い物客の動きを確認し、商品が置かれた棚の重量センサーと合わせることで、客がどの商品をいくつ取ったのかをAIが判別する。一度に入店できる人数は6人まで。また店内で他の客との商品受け渡しは禁止。店内にはAIカメラとは別に4台の防犯カメラを設置。買い物後はアプリで購入履歴を確認できるほか、インボイス対応のレシートも表示・出力可能。
S Lawson Go OSL なかもず駅店は、なかもず駅改札前のローソン跡地に設置。売場と品ぞろえは東京の1号店と同等の16.99㎡、380品目(おにぎり、ベーカリー、飲料、菓子などが中心。酒・たばこ、フライドフーズ、冷食、アイス、雑誌・書籍およびATM、各種収納代行、Loppi、ゆうパックなどのサービスは取扱いがない)。1日の利用者は200人を想定。設置前に営業していたローソン店舗は、移転建設中でオープン後はウォークスルー型店舗の母店として商品供給を行う予定。
なかもず駅周辺にはオフィスや大学、住宅が混在し、幅広い層が駅を利用していることから、多様な需要層が新型店舗の検証に好適と判断し同駅への出店を決めた。
Osaka Metroには駅利用者の利便性を高められ、ローソンは出店パターンの拡大や省人化など、双方にメリットがある。利用者にとってはレジの混雑がなくなり買い逃しも解消できる。NTTデータではウォークスルー型には、今回のようなパッケージパターンと既存店舗に導入する仕組みの2種を用意している。ローソンは同タイプの出店は、当面出店エリアを模索中としている。ただ、初期投資がかさむことから国内での展開が進んでいなかったウォークスルー型店舗は、一定の条件付きながら出店しやすい状況になってきた。
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