加藤産業は7月18、19日に神戸国際展示場で2024秋&冬の新製品発表会を開催。得意先約4200人が来場した模様。580社・約6600品目(常温・菓子378・5300、チルド日配冷凍84・800、酒類118・500)が一堂に集まり、約1900品目(前回と比べ約2割増)の新製品が披露された。
同社の分析によると、今季の常温の新商品は有名店監修・コラボ商品が依然増えており、特に季節品の鍋商材にはこの傾向が顕著で、引き続き販売を強化する。またカレー味を含め辛いメニューも支持率が高く、このカテゴリーも拡大していく。香ばしさや柑橘風味など「香り訴求品」も多く、これらの特性を持つ商品群を中心に、日々の営業活動で提案する。
低温品は簡便性を追求した商品が続々登場。新たなカテゴリーとして需要を取り込む。酒類は食事と一緒に楽しむ傾向が強まる中、無糖RTD商品が目立つ。このカテゴリーの販売を強化する一方で低アルコール商品にも注力する。また、同社が直輸入するワインを気軽に楽しめる提案も強める。
企画提案としては、ご飯まわり商材を紹介。コメは値上げしても売れ行きが鈍らず、また新米シーズンを迎えていることから、バラエティが拡大するふりかけ類、炊き込みご飯の素に注力。鍋つゆは消費者のマンネリ化の悩み解消に向け、6タイプの鍋つゆ(醤油・塩・味噌系、辛味、豆乳、その他)と味変にぴったりの鍋向けトッピングを紹介。
各地の地域メーカー商品を集めたディスカバリーニッポンコーナーには、こだわりのメーカー72社(北海道3、東北4、関東・甲信越26、東海・北陸14、近畿10、中国3、四国4、九州8)に加え、各支店が推奨する取組みメーカー28社が多様な商品を提案した。
恒例のKSBメーカーコラボレーション企画ではイチビキ、江崎グリコ、オタフクソース、カゴメ、サトウ食品、J-オイルミルズ、ニップン、日本食研、ヤマモリがブース出展し、メニュー提案を実施。レタスクラブ連動企画では東洋ライス、リプトン、日清オイリオグループが夏向けのランチを紹介。
酒類はヤタニ酒販のPB提案、甲州ワインや中国エリアなど国産ワインを強化。さらに日頃、日本酒を飲まない人に向けた初心者向け清酒提案も実施。三陽物産は輸入PBワインやブランデーの新商品を訴求。低温では温度帯変更商品や留型商品を紹介。冷食では万博を見据え「大阪名産の冷凍食品」を展開。また、セールスが道の駅を巡って発掘した、クリスマス・正月向け商材も訴求した。さらにご飯のお供としてレンチンで簡単においしく食べられるご飯商材も展開。
Kanpyは「カンピー ザ・プレミアム」の新商品「芳醇果実」シリーズやリニューアルした「果実の贅沢」シリーズなどを訴求。パンに塗るだけでメロンパンやカレーパンの風味を再現できるスプレッド「焼いておいしい」シリーズ、人気の韓国食材として「平太はるさめタンミョン」、カンピーブランド初の機能性表示食品「グロビンペプチド配合つぶあん」などのほか、京都府立医科大学創薬センター監修のスーパーヘルシードリンク「RB7days」など、11ブースで31品を出品した。また、料理研究家・中川千佳子さんによる新商品を使用したアレンジメニューのクッキングライブも開催。なお、カンピー商品群は、直近で前年比103%程度の売上推移。来期は105~106%を見込む。
■今こそ価値創造を
食品市場は値上げラッシュによる売上アップの一方で、買い控えが進み物量は減少傾向。販売数量を拡大することが今後の大きなテーマだが、18日に行われたメディア説明会で、中村孝直専務は「コスト増の中で数量拡大を実現するには、それぞれの商品が持つ価値を伝えるだけでなく、価値そのものを新たに作っていく必要がある」と強調した。販売のタイミング、生鮮と連動した売り方など、提案営業をより進化させていく。
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