心理分析で〝ちょうどいい売り場〟を
加藤産業は3月15~17日、「流通を最適ソリューション」と題し、2023春季加藤産業グループ総合食品展示会を神戸国際展示場で開催。407社(加食195、業務・冷凍・チルド・水産100、酒類112)が出展、得意先3400人が来場した模様。
物価高などの影響を受け消費マインドの変化を分析。個々の生活者にとって「ちょうどいい」売り場を3つの切り口で提案。「アクティブ×こだわり」では楽しみ重視の体験的買い物を好む人やSNSなどの情報に感度が高く、珍しい商品にひかれる人に向けキャンプ関連やタイパ商品、こだわり・限定品などを用意。また「アクティブ×節約」では安価な肉をおいしく調理することで、節約とごちそうが両立するレシピを提案。主食は節約意識が薄いとして、ご飯まわり商材を強化。「こだわり×計画的」では環境問題・社会貢献の意識が高く、自身の価値基準を大切にする人に向け、国産・オーガニック・エコなどこだわり商材をそろえ、データ分析ツールを活用して分かりやすい売り場を提案。
「Kanpy」コーナーでは「カンピー ザ・プレミアム」をイチ押しオリジナル商品として訴求。テスト販売で高評価の「3種のマーマレードは」展示会でも好評。このほか小豆製品やフルーツ缶、涼味麺商戦に向けた韓国のり、今年5月で10周年を迎える「西宮なでしこプロジェクト」の商品などを取り上げた。
「KATO販促ストリート」では協働企画コーナー、レタスクラブ連動企画、KSBコラボレーション企画でメーカーコラボ企画を展開。涼味など春夏メニューの紹介・試食を行った。「ベストセレクション」ではプラントベースフードを特集。「地域元気&こだわりメーカー」では全国の地域メーカー49社を集め、地域密着提案を行った。ケイ低温フーズは地域商材やこだわり餃子を紹介。ヤタニ酒販・三陽物産はクラフトウイスキー・ビール、トレンドワインを訴求。
また今回は3年半ぶりにロジコーナーを設置。2024年問題対策としてメーカーの出荷データを基に協力して行う検品体制や小売とのリードタイム調整、中小メーカーとは運送会社の倉庫で検品し効率化を図ることなどを提案。また庫内作業は電子棚札の導入、将来に向けたロボット活用による効率化もパネルで紹介した。
初日の15日には山中謙一専務が会見を行った。値上げラッシュの中、小売業からは単価や点数アップのための要望が強まっているとして「差別化の独自性が卸業にも求められている。留め型にしても過去のように価格訴求型の商品作りは困難。むしろ付加価値の高い商品作りが求められており、専門部隊でこれに応じながらデジタルを活用した売り場作りに臨む」と現状を説明した。
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