食の阪神、最大化へ
阪急阪神百貨店は4月6日、阪急梅田本店を全館グランドオープンした。2014年からスタートした建て替え工事は、館の象徴的な存在である地下1階「阪神食品館」の開業により遂に完了、その本領を発揮する。
山口俊比古社長は「圧倒的な品ぞろえと専門性を併せ持つ、日本一のデパ地下が完成したことは感慨深い」と喜びをかみしめ、一方で「これまで積み上げてきたものに対し、来店客がどう反応するか。今日をスタートに改善し魅力度を上げる」と気を引き締めた。地下や1階などの食品フロアで集客し、いかに上層階に誘導するかも課題だが、まずは〝食の阪神最大化〟を最優先に取り組む。
阪神食品館は、四方それぞれに出入口を設けた地下のスクランブル交差点のような立地。売り場では洋菓子、惣菜、リカー、生鮮の重点4カテゴリーを中心に展開する。
「洋菓子ワールド」は新規12店舗が集い、約100mのスイーツストリートで本物志向や時代性のある新しいおいしさを提供する。
「惣菜ワールド」は食の多様化に対応し、エスニックメニューや弁当類などを強化。新規19ブランドを含む50ブランドが軒を連ねる。短時間での買い物を可能にしたコンビニデリカ、ごちそうオーダー(WEB予約)など新機能も。
「リカーワールド」は国産ワインやスパークリングワインを訴求。品ぞろえだけでなく、ワインや酒類の愛好家が気軽に会話できるコミュニケーションスペースも設け、魅力最大化を図ることで新たなワインの聖地を確立する。
「生鮮ワールド」は、食の阪神の代名詞〝市場のようなにぎわい空間〟と取れたての品ぞろえで競合を圧倒する。優良な生産者とのネットワークを強みに、旬・鮮度・専門性に磨きをかけた。
このほか老舗の銘店から地元のスターグルメまで約500種類をそろえた「銘店ワールド」、伝統と革新が融合した「和菓子ワールド」も魅力。さらに弁当・餃子・カジュアルギフトを聖地化する新たなチャレンジも。
阪神百貨店梅田本店の売場面積は5.3万㎡、うち食関連は14年比で138%となる1.8万㎡で、日々の食生活を豊かにする「毎日が幸せになる百貨店」を目指す。
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