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小売DXの究極目的はID-POS活用による個客理解/リテールAI研究会

投稿日:2021年6月14日

課題はバリューチェーンの再構築

リアル店舗でのリテール分野にAI技術の導入を推進する一般社団法人リテールAI研究会(田中雄策代表理事)が、「小売DXの最新動向」をテーマにしたセミナーを6月10日に東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催。現地会場とオンライン視聴で合わせて約1100人が参加した。

同セミナーでは筑波大学の立本博文教授=写真=が「リテールAIの状況~キャズム手前まで来ている~」と題する基調講演を行った。キャズムは溝のことで、半年間で加速した小売DXが重大な局面に差し掛かろうとしている様を示している。EC販売が増大し無人店舗の普及が進められる中、立本教授は「小売DXの究極目的は、ID-POS活用などによる顧客理解である」と説いた。

また、EC店舗に対抗しつつ小売業界全体が進化するためには、業界共通のプラットフォームとデータの効率的な運用が必要である。そうしてできあがったシステムの活用手段こそが最も重要であるとの考えから、同研究会で開発中のシステムへの参加を呼び掛けた。

サントリー酒類の中村直人氏は、ID-POSのデータなどを活用したマーケティング事例を紹介した。9割超をリアル店舗で販売する同社では、販売までの流れを可視化して社内で共有。さらに、個客理解を進めるために開発したのが、オープンデータを集約して分析するクラウド型システム「サントリーリンク」。ID-POSや店頭カメラから得た顧客情報などを分析し、Retail AI社の「スマートショッピングカート」のリコメンド機能で酎ハイ購入者に唐揚げを勧めたところ、同時購入が約6倍となるクロスセル効果が得られた。そのほか、リピート購入者への割引サービスや小売店舗の棚割りなどにもデータ活用できるという。そのため今後の課題として「流通業界におけるバリューチェーンの再構築」を挙げた。

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