第一人者・神戸学院大学栄養学部の田中清教授が重要性示す
大塚製薬は11月1日に都内で、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」におけるビタミンDの摂取基準改定に関するプレスセミナーを開催。ビタミンD研究の第一人者、神戸学院大学栄養学部の田中清教授らが改定点や、その背景について説明した。
ビタミンDは油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつ。食事からの摂取以外にも紫外線を浴びることでも産生される。骨の形成と維持に必要なカルシウムとリンの体内吸収を促進し健康な骨を作る働きがあり、不足すると骨粗しょう症や骨折のリスクが高まる。最新の研究では筋肉の合成、がんや糖尿病の発症リスク低減、インフルエンザ対策も報告されている。
また、国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防を目的に国が定める「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに見直され、20年版では18歳以上のビタミンDの摂取目安量が5.5㎍から8.5㎍に改定される。
改定の理由について田中教授は「日本のビタミンD摂取目安量は欧米に比べ低く、摂取量も不足している。骨折リスクを上昇させないためにも、新たな目安量が設定された」と説明。さらに「年代を問わず健康増進、疾患予防のためにもビタミンDは重要だ」と付け加えた。
欧米を中心に活躍するトータル・コンディショニング・コーディネーターの酒井リズ智子氏とのトークセッションも行われ、食事によるビタミンD摂取の事例を紹介。欧米ではビタミンD強化食品が一般的で、日頃アスリートの栄養を管理している酒井氏は「ビタミンD不足はパフォーマンス低下を引き起こすことから、栄養素の中でもビタミンDを重視している」と話す。
また、田中教授は「ビタミンDは魚介類に多く、入手し易いサケやカジキがお勧め。サプリメントからも摂取できる」と語った。
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