米価高騰を教訓にコスト指標づくり開始 食品業界も注視
農林水産省が5月29日に公表した「令和7年度食料・農業・農村白書」は、食料システム法に基づく「合理的な費用を考慮した価格形成」の推進を重要施策の一つに位置付けた。米価高騰を受けて、生産から流通、販売までのコストを適切に価格へ反映する仕組みづくりを進める方針で、食品業界への波及も注目されそうだ。
白書によると、2025年12月から生産者や流通事業者、小売事業者などで構成する「コスト指標作成等委員会」において、米のコスト指標の作成方法などの検討を開始する。近年は資材価格や物流費、人件費の上昇が続く一方、コスト増を十分に販売価格へ転嫁できないケースも多く、持続的な食料供給に向けては適正な価格形成が課題となっている。
今回の取り組みは、米の生産・流通コストを可視化し、価格決定の参考となる指標づくりを目指すもの。農水省は、合理的な費用を考慮した価格形成を進めることで、生産基盤の維持や安定供給につなげたい考えだ。
食品業界では原材料や包装資材、エネルギーコストの上昇が続いており、価格改定が常態化している。米をモデルケースとした制度設計が進めば、将来的には他の農畜産物や食品分野にも考え方が広がる可能性があり、メーカーや流通業界からも関心を集めそうだ。
白書ではこのほか、米の安定供給や輸出拡大、食料安全保障の強化などを重点課題として掲げているが、「価格形成」は食品メーカーの経営にも直結するテーマとして、今後の議論の行方が注目される。
「令和7年度 食料・農業・農村白書」
https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r7/index.html
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