
イオンスタイル伊丹に新たな精肉売場ミートパークが出現

賑わう対面売場

イオン最大のトンテキ売場。
実験店でもトンテキ用豚肉が最も売れた

壁面や平台でステーキ・焼肉を展開
イオンリテールは10月30日、イオンスタイル伊丹(兵庫県伊丹市)にイオンリテールの新たな直営の精肉売場「MEAT PARK(ミートパーク)」の1号店をスタート。“いつもの肉売場”の品ぞろえ、売り方などを大幅に変化させて高まる需要に対応する。
イオンリテールは本州を4エリア(北関東・新潟、南関東、中部、西日本)に分けて店舗を展開しており、ミートパークを冠する売り場は1エリアにつき1店舗。今回、西日本エリアの伊丹店が展開を開始したことで、残る3エリアでも1店舗ずつミートパーク導入店舗を展開する予定。この売場作りで得られた技術やノウハウ、売れ筋商品などは全店の精肉売場に水平展開する。
水産やデリカ・ベーカリーと比べ、大きな様変わりが見られない精肉売場。一方で、その需要は高まりを見せてきた。イオンリテールにおいても店舗によっては水産品以上の需要が見られ、多くの店舗で2桁前後の活発な消費が見られていた。特に牛肉価格が高止まり推移を続ける中で、豚・鶏肉の需要は今も拡大基調にある。
こうした需要の増加に対応すべく、同社は6月にイオンスタイル鶴見緑地の精肉売場をミートパークゼロ号店として実験開始。メニューを軸とした売場編集や品ぞろえの強化、直営売場での対面販売、これらを実現するオペレーション改革を進めたところ大きな手応えを得た。
鶴見緑地店では来店客の滞留時間が長くなり、じっくりと品定めをする様子がうかがえる。インパクトのある豊富な品ぞろえやこれまで知らなかった使い方を発見したことが消費増に結び付き、同店の精肉売場は2桁伸長で推移。こうした実験・検証の成果をもって今回、ミートパーク1号店がスタートを切った。
●売場は6つのゾーンと対面販売で大きく変化
伊丹店の食品売場は1000坪強と同社店舗の中でも大規模で、ミートパークはこのうち89.4坪の売り場に約400品目を展開する。売場面積・品目数とも改装前と比べ1.8倍に拡大した。これに伴い人員も投入、社員は3人増加の7人となり、最終的にはパート含め30人体制に。「ステーキ」「焼肉」「トンテキ」「やきとり」の4つのメニューを軸とした売場編集に加え、冷凍食品などの「簡単調理」、タイパ・コスパを意識した「デカ盛り」の6つのゾーンで構成。さらにオーダーカットや調理法アドバイスを実施する「対面販売」の強化により利用者の利便性を高める。売上目標は改装前比1.4倍を設定。
新たなゾーニングや商品展開に伴い、同店では店内加工率を50%以上(通常店なら20%前後)に設定。これまで同様、カットなど精肉加工は、あくまで加工センターで行うことが基本ではあるが、よりきめ細かな需要対応として店内加工率を高め、消費者の調理負担軽減を図る。これによる店内加工の技術力強化が、今後、他店舗に継承する財産になり、ひいては全店舗の商品力強化につながる。
各ゾーンおよび対面売場の概要は次の通り。
トンテキ 実験店の鶴見緑地店で最も支持率が高かった。消費者は牛ステーキから豚肉購入へとシフトする傾向が顕著で、その受け皿としてのトンテキ提案は高い評価を得た。同店で最も売上げが伸びているのもトンテキ用豚肉。伊丹店ではさらに進化させ、ロースや肩ロースなどの部位を中心に、切り込みを入れて、より調理しやすく食べやすい商品を、イオンリテール最大のトンテキ売場として展開。初日の30日の売上も上々だった。
ドカ盛 1㎏サイズの大容量品を中心に集合展開。使い勝手の良いうす切りやこま切れ、ミンチをはじめ、唐揚げ用鶏肉や骨付肉などを扱う。高まるまとめ買い需要に対応。
ステーキ イオンの強みとするカテゴリー。黒毛和牛と直営農場のタスマニアビーフを中心に展開。原料高騰でステーキの定番品が売りづらい環境に合わせ、ハーフやスティック状など「少しでいいからステーキも食べたい」という需要に対応。大きい一枚肉より数種の盛り合わせを中心に展開。もちろん赤身や霜降り、希少部位なども提案している。
焼き肉 鶴見緑地店ではステーキ・焼肉とも人気で、その売れ筋を集めた。人気のタンやハラミに加え、希少部位や内臓など幅広く品ぞろえ。大容量より少量で多品種を買えるようにしている。
やきとり 串刺しにしたやきとりだけでなく、フライパンでも簡単に焼ける薄切りにした串なしやきとりも通常店舗より拡大。これからの季節は鍋に鶏肉うす切りも提案。調理のひと手間が省けて食べやすく、片付けも楽といううす切りメリットを提案する一方で、ハラミやせせりなど希少部位や内臓肉も強化。
簡単調理 牛肉、豚肉、鶏肉に、こだわりのタレや野菜を使った味付け肉や保存に便利なフローズン商品を含め、時短を意識した商品をそろえた。焼くだけで完成する商品を強化しているが、フライパン調理だけでなくオーブン調理の商品も充実。
対面販売 目の前で選べる・聞ける・頼める直営売場の対面コーナー。うす切り肉やステーキ用、特に焼肉用の肉やホルモンの品揃えを拡大。好みのサイズにカットするオーダーカットや調理法のアドバイスなど、きめ細やかなサービスを提供。対面販売を行えるだけの技術力を磨き、これを他店にも展開する。
●専用サイト
ミートパーク
https://www.aeonretail.jp/campaign/nishinihon_meatpark/
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