大阪で「水炊きの逆襲」イベントを前に

関西の食文化でもある水炊き復権へ

稗田支店長
Mizkan大阪支店は飲食店と協力し、関西の水炊き文化の見直しを呼び掛けるメディア発表会を10月29日、同社大阪支店で開催した。12月に予定する「水炊きの逆襲」とした消費者セミナー(主催・(一社)大阪市コミュニティ協会、共催Mizkan大阪支店)の開催に向けたもの。
関西の鍋料理として知られる水炊き。多くは昆布だしで炊き、ぽん酢などつけダレで味わうメニューだが、近年は寄せ鍋、キムチ鍋、ごま豆乳鍋などあらかじめ味の付いた鍋料理が主流。一方で全国的にも鍋市場を長く支えてきた「味ぽん」が60周年を迎えており“水炊きの復権”を掲げイベントを企画した。

御所坊・金井啓修社長

神戸酒心館・久保田博信副社長

湯木・湯木尚二社長

発表会ではMizkan・稗田旭大阪支店長が「単に水炊き文化を思い出してもらおうという趣旨ではなく、地元の名店とコラボして新しくユニークなメニューを提案する」と意気込みを見せたように、興味深いメニューが出そろった。
また、同社のお酢博士・赤野裕文氏がぽん酢の歴史や「味ぽん」について説明したほか「味ぽん」の概要なども紹介された。
●水茄子と黒豚のしゃぶしゃぶ鍋
大阪市北区「日本料理 湯木 新店」考案。大阪は泉佐野を代表する水なすを使用した珍しい鍋メニュー。夏に需要が高まる水なすを、冬場にも鍋具材として訴求する。水なすを中心に、鹿児島県産黒豚など他の具材にもこだわった。同店では水なす鍋のコース料理を1万2000円で11~12月に提供予定。
●灘の美酒鍋
灘の五郷で「福寿」ブランドを展開する神戸酒心館。同社が運営する「蔵の料亭 さかばやし」は日本酒で魚介類や野菜を煮て、ぽん酢につけて味わうメニューを考案。今回の企画では明石浦漁港で水揚げされる真鯛(明石鯛)を使用して、11月から同店で提供予定(要予約)。11月28日にはお披露目食事会も企画。
●魯山人風鶏の山椒鍋
有馬温泉の名店「陶泉 御所坊」は北大路魯山人ゆかりのユニークな鍋を提案。同地区の名産と言えば山椒。有馬温泉観光協会が神戸市北区で山椒を育成し、有馬温泉の名品として訴求するプロジェクトに同店も賛同。今回の鍋具材の鶏肉には、ガストロパック(減圧加熱調理器)を使用し山椒水を注入、鶏肉自体が山椒風味を内包する。また魯山人が「変わった食べ物でおいしいものは山椒魚」と『魯山人味道』に記しており、かつては中国や日本でサンショウウオが食べられていたことから、有馬山椒と鶏肉で山椒魚の鍋の再現を目指した。
●水炊きの逆襲セミナー
大阪市コミュニティ協会は12月に水炊きと関西の食文化についての消費者向けイベント・セミナーを行う。
12月1日 18:30~20:00
コミ協ひがしなり区民センター
12月2日 18:30~20:00
天王寺区民センター
参加費/千円(税込)
申 込/大阪市コミュニティ協会(06-6125-3311)
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