未来開拓掲げ戦略を提示

緒方常務執行役員
伊藤忠食品は7月9・10日の2日間、インテックス大阪で夏季展示会「FOOD WAVE OSAKA 2025」を開催。企画への出展・出品数は252社・2207品(商品開発56・391、商品発掘162・1320、商品企画150・496品)、コマ出展数は381社(酒類60、食品166、業務用37、チルド35、道の駅など83)。約8千人の得意先が来場した。
今回のテーマは「未来開拓ストラテジー~ISCに期待すること~」。昨今、物価・賃金が上昇しつつ安定成長が見込まれる一方で、外部環境の急激な変化による不確実性が高まるなか、同社は「課題を成長機会と捉える」姿勢を示し、未来を見据えたソリューションを多角的に提示した。
入口付近のマーケティングゾーンでは、「世代」「環境」「文化」「技術」「経済」の5つのキーワードを軸に、2030年の社会を先取りした提案を実施。キーワードに沿ったパネル展示とシアター映像でユーザー視点の課題解決案を発信した。
注力するリテールメディアゾーンでは、リテールメディアの現状と、これまで蓄積してきた経験や運用実績を紹介。また、今年から新たにチラシアプリ「トクバイ」と連携した広告パッケージを提案。アプリ内消費者キャンペーンを展開するとともに、店頭サイネージと連動して訴求。卸ならではの販促が注目を集めた。
物流改革ゾーンでは、物流24年問題への対応として、水濡れに強い無人搬送ロボットを披露。大阪ギフトセンターで今春より開始したEC向け加工出荷の紹介も行った。
商品開発ゾーンでは、米不足・価格高騰を背景に、主食の代替提案として「パン」「麺」「粉もん」の3カテゴリーに焦点を当てた。粉もんでは「千房」と「やまつ辻田」のコラボメニューを訴求。麺は全国から厳選したアウトパックご当地麺15品を展開、パンは冷凍焼成パンと同社オリジナルフィリングを組み合わせた提案を行った。さらに、備蓄米(古古米)、カルローズ米、国産米、韓国米の食べ比べコーナー設置。各米に合わせたメニューを紹介した。
また、商品企画・開発プロセスに特化したデータ収集・分析ツール「FOODATA」を活用した商品開発コーナーを設置し、Z&Y世代に支持されるスイーツ提案などを行った。
冷凍食品関連では、凍眠凍結酒や凍眠フルーツ、ブランド監修の小型ケーキを展示。試飲・試食を交えながら、急速冷凍ならではの品質と本格的な味わいを体感できる構成とした。凍結酒は11品にラインアップを拡充。また、IR開業を見据えたラグジュアリーコーナーも継続強化。富裕層の日常使いに適した商品を中心に提案が行われた。
当日の会見に登壇した緒方学常務執行役員・第2部門長は「卸業が変革期を迎えている。5年後、10年後を見据え、新たな事業の成長がこれまで以上に求められている」と語った。
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