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関西の新常識・焼肉をぽん酢で!/Mizkan×飲食店

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ぽん酢の歴史や魅力を伝える

お酢博士・赤野氏㊨と鍬先料理長の対談が実現

稗田支店長

Mizkan大阪支店と関西圏の飲食店がコラボして「焼肉をぽん酢で!を関西の新常識にしよう」と動き出した。6月20日には同支店で発表会も開催し、改めてぽん酢の歴史や魅力を伝えた。

ミツカンが昨年行った調査によると、焼き肉にぽん酢を必ず使う人は2割で、たまに使う人5割と合わせると約7割が家庭での焼肉をぽん酢で食べていることが分かっている。こうした傾向を受け「焼肉をぽん酢で」を関西の新常識とすべく、地元の飲食店と関西ぽん酢企画を立ち上げたもの。

この呼びかけに「関西らしいムーブメントが期待できる」と、地元の飲食店やBBQが出来る公園などから賛同する声が集まり、約50件程度が企画参加に名乗りを上げている。各店舗では7月からメニュー化を予定(既に実施店舗もあり)。

ぽん酢を導入する専門店(左からあじびるグループ・本岡玲二社長、明月館・畑中甚徳課長、萬野屋・萬野和成社長)

発表会当日、稗田旭支店長は「当社の看板商品・味ぽんが60周年を迎えたこともあり、今回の企画に至った。焼き肉をさっぱり食べるには、ぽん酢はもってこいの調味料。鍋だけでなく、通年の多様なメニューに使えることを発信していく」と意気込みを見せた。同社では5月からアジフライへの利用などを提案する新たな味ぽんCMを展開している。

また、ぽん酢や味ぽんの歴史も紹介されたほか、ぽん酢のルーツが食前酒とされることから、神戸の名門バー・サヴォイオマージュの森崎和哉氏による、ぽん酢の原型をイメージしたカクテルも振舞われた。

さらにミツカンのお酢博士・赤野裕文氏と〝鉄板の魔術師〟と称される神戸メリケンパークオリエンタルホテル・鍬先章太料理長とのぽん酢対談も実現。肉とぽん酢の相性は良く「肉のうま味をぽん酢(酸性)が包み込んでくれる」という点で意見の一致を見た。

関西の家庭内では当たり前になりつつある「肉にぽん酢」だが、焼き肉店で取り入れている店舗は少ない。今回、店舗で導入する飲食店を代表して、有馬温泉の老舗旅館「陶泉 御所坊」、大阪の老舗焼き肉店「名月館」、京阪神で飲食店専門ビルを展開してきた「あじびる」グループ、焼き肉シーンをリードする「萬野屋」もそれぞれの取り組みをアピールした。

【ぽん酢メモ】
ぽん酢のルーツを辿ると、もとはインドの胃腸薬に行きつくという。サンスクリット語で「5」を表す「パンチャ」が語源で、5つの材料から作られる、胃腸薬としても使用される飲み物だった。これが欧州に伝わり、リキュールや柑橘果汁、砂糖を加えた食前酒へと転身。オランダでは「ポンス」、イギリスでは「パンチ」と呼ばれるカクテルとなった。ここに果実を加えたものが、日本でもおなじみのフルーツポンチ(パンチ)だ。

日本には江戸時代にオランダから伝来。この時は酒類として入ってきたとされるが、当時の日本には食前酒の習慣がなかったため定着しなかった。これが明治になると橙を使った柑橘系の搾り汁として文献に登場する。あくまで柑橘果汁であり、食前酒のように酒類メニューではない。

この柑橘系果汁が、いつどのようにして醤油と融合したのかは分かっていない。ただ長崎では古くから果汁・酢・醤油をブレンドしたぽん酢醤油が使用されていた。

ミツカンの七代目・中埜又左衛門が博多の宴席で、鶏の水炊きのつけダレにぽん酢が供され、その味わいに感銘を受けたことから商品化に動き出し、1964年に関西で試験発売を実施、さらに67年には全国へと拡販に乗り出した。

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