仙台で「スマイル“フード”プロジェクトin東北」決勝大会
東洋水産は、東北地区の高校生を対象に地域の特色を生かしたスープのアイデアを募る「スマイル“フード”プロジェクトin東北2023」の決勝大会を11月25日に宮城県仙台市の仙台国際ホテルで開催した。
今年で9回目となったコンテストには48校174チームが参加。決勝大会では、書類審査で選ばれた各県代表6チーム(3人1組)が自信作のプレゼンテーションを行った。審査は「おいしさ」「地域性」「独創性」「実現性」等の観点から行われ、そのレシピに基づいてホテルのシェフが再現調理したスープが試食として審査員と参加したチームに提供された。優勝作品は来年秋に商品化され、東北地区限定で例年通りに販売される予定。
出場校には2年連続6回目となる秋田県立金足農業高校、4年連続4回目の福島県立あさか開成高校といった優勝経験校に加え、初出場校が4校、さらには男子生徒や1年生の姿も目立った。審査は真喜屋理恵子常務取締役を審査委員長に東洋水産から8人、専門紙記者8人を含めた16人で行われ、優勝、準優勝、各種特別賞を選出した。
かつてないハイレベルでの審査となった今大会を見事勝ち抜いたのは、初出場となった山形県代表・山形県立山辺高校(山形愛すGHM)の「んまい!山形名物芋煮風ミネストローネ」。山形県勢初の優勝に輝いた。郷土料理の芋煮をミネストローネにアレンジした。ネギや里芋、牛肉、しめじに、特産品のセロリ「セルリー」をあしらった地域性あふれるメニュー。総評した同社社外取締役で東京家政大学教授の峯木眞知子氏は「抜群の好成績だった」と文句なしの評価。全員が1年生というメンバーは、山形の魅力を伝えることができたと声を弾ませた。
また、2度目の優勝を逃した福島県立あさか開成高校(チームNaNaNa)の「ふくしま親子deとうもろこしスープ」が準優勝に選ばれた。伊達鶏とたまごの親子スープにコーンクリームを加えた創造性豊かなアイデア。峯木氏は「スープの中に色んな食感が混ざり、具材のトウモロコシ、隠し味の生姜も工夫されていた」と高評価。メンバーはバレーボール部の仲良し3人組での受賞となった。
優勝・準優勝チームには賞状とトロフィー、Amazonギフト券10,000円分が贈られた。その他特別賞は次の通り。プレゼンテーション賞=青森県立三本木高校(にぼてぃーむ)「青森幸辣湯」。調理技術賞=秋田県立金足農業高校(かなのー!三人娘)「轟けかやき!~秋田の旨味の宝箱~」。地域貢献賞=宮城県泉高校(ホットポット)「仙台味噌なのに中華スープ」。業界紙記者賞=岩手県立平舘高校(八幡隊)「溶岩流黒担々スープ」。それぞれ賞状と5,000円相当の副賞が贈られた。
全体講評として峯木氏は「プレゼン、スープ、味付け、アイデア全てにおいてレベルが高くなっていた」と評価した一方で、「スープとしての栄養価の説明が抜けていた」と課題も指摘。審査員として参加した筆者は、過去最高のハイレベルな争いだったと感じている。試食審査では甲乙つけがたく、全チームに満点(個人として初の経験)をつけたが、レシピを再現したホテルのシェフの腕前にも感動を覚えた。
2023年12月4日付