國分会長が23年度で指針
国分グループ本社は、2023年度方針説明会を4月5日にロイヤルパークホテルで開催。取引メーカー221社(221人)が参加した。
國分勘兵衛代表取締役会長兼CEOは、「ウイズコロナ、アフターコロナの新しい時代の幕開けとなり、DX、AIとともに新しい時代が始まった。この動きに取り残されないようにしたい」と冒頭挨拶。また、WBCでの日本優勝や、ロシアによるウクライナ侵略戦争の話題に触れつつ、日本の置かれた立場に言及。「こんなことが起こるのか!」ということが世の中では起こる。「治に居て乱を忘れず」の格言のごとく、身軽に変化に対処できる体制の必要性を示した。
今年は戦後78年。戦後の経済発展で世界第2位まで登り詰めたGDPは失われた30年を経た低成長で、今や世界で下位に甘んずる。国民生活は物質的には豊かになったが、先行きへの不安から精神的な豊かさを感じられない人が増えた。さらに老齢人口の増加に、Z世代の価値観。多くの人がスマホで解決する時代。マッチングアプリで結婚する人が昨年22.6%という報道にも驚き。大量生産大量販売の価格競争時代から、欲しいものは価格に捉われず手に入れる時代へと変化を見せる。
社会が大きな変化を見せる中で、資源に乏しい日本ではサプライチェーンが変調を示し、需給の崩れによる供給不足、コスト上昇、価格改定、そして企業物価と消費者物価の差の広がりが続く。コスト転嫁を出来ない企業、付加価値を創造できない企業は退場を余儀なくされる。価値を適正に評価する・される仕組みが必要で、流通においてもコストと機能に対する評価を分けて受益者負担を表に出す時代となった。
國分会長は新しい時代に向けて次のような考えを示した。
「如何にコストアップをDX、AI、業界の協調、受益者負担で切り抜けるか」
「如何に自分本位だけでない、協調体制を作ることが出来るか」
「如何に消費環境にあった売り場、供給網を作ることが出来るか」
「如何に労働力を確保することが出来るか」
品質が良いもの、価値あるものは価格が高いという概念を定着させること。成熟社会では良いものを大量に作って安く売ることはない。時間をかけてでも経済の好循環、新しい資本主義が生まれることで、国民が前向きな志向と価値観の変化から独立の気風が生まれ、それが国家の安全保障の原点となる。
2023年4月17日付