〝東京2020オフィシャルチルド麺パートナー〟として限定品も
日清食品チルドは1月30日に本社で春夏新製品発表会を開き、伊地知稔彦社長がチルド麺市場の概況と今年度の見通しを説明した。東京2020オフィシャルチルド麺パートナーのグループ会社として、大会応援商品も発売する。
チルド麺市場の2019年度(インテージSCI)は食数ベースで前年比97.0%、およそ2047億円(前年比98.7%)で着地する見通しを示した。7月の冷夏による冷し中華の苦戦、増税後の消費動向の変化、暖冬も重なった。足元の概況も弱含みな展開が続いている。ラーメン、うどん、焼そば、スパゲティは食数ベースでは微減。冷し中華は1割程度の減少。金額ベースではスパゲティが4%増、ラーメン1.4%増を見込むが、うどん、焼そば、そばは微減。冷し中華は6.5%減の見通し。
総市場は過去5年縮小を続けてきたが、3食入り(19年度675億円)はその間に約2割の減少に対し、2食入り(同829億円)は堅調な推移が続く。1食入りは素材麺が減少し、スープ付きおよび容器入りが拡大傾向にある。3食入りは焼そば、うどん、ラーメン、冷し中華の全カテゴリーで減少。2食入りはうどんを除き横ばいまたは微増のトレンド。
同社は今後の市場について、素材型3食ジャンルの衰退と、付加価値型1食ジャンルの発展を予想する。
また全体市場が苦戦する中で、19年度の売上高は前年並みの販売を見込む。「日清のラーメン屋さん」は大幅刷新と積極プロモーションが寄与。春秋の増量キャンペーン、新商品も含めて好調な「つけ麺の達人」。台湾まぜそばのメディア露出、新商品効果から好調の「まぜ麺の匠」なども寄与したが、ラーメン全体では前年並み。
冷し中華は開封後すぐに食べられる新商品「日清のそのまんま麺」が寄与し101%の健闘。和物はアルミ鍋「鍋焼日清のどん兵衛」がデリカ売場など配荷を拡げて107%と好調。焼そばは価格是正の影響が大きく、91%で着地する見込み。
2020年も引き続き「簡便」「個食」「完結」の3Kに、「本格」を踏まえた展開に加え、オリンピック効果による市場活性に期待を寄せる。チルド麺の弱点でもある調理の手間を軽減する「そのまんま麺」「フライパンひとつで」の各シリーズ、セミロングタイプの1食容器入り冷しメニューを拡充。またチルドならではの本格的なおいしさを追求した新商品、東京2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げる記念商品なども上半期に展開。中期経営計画の最終年度を迎え、伊地知社長は「目標必達」と力を込めた。春夏新商品概要は次のとおり。(下に続く)
今年は通常の暑さを期待、仕切り直しとなる「日清のそのまんま麺」シリーズは、パッケージに手間いらずの商品特性をイラストで大きく表現するなどリニューアルし、販売エリアを、北海道を除く全国に拡大。さらに新商品「同 冷し中華麻辣醤油だれ2人前」384g(麺300g)、「同 かつおだしぶっかけうどん2人前」430g(340g)の2品を3月1日から発売。各300円。既存の「同 冷し中華醤油だれ2人前」「同 冷し中華ごまだれ2人前」は麺のコシをアップ。「柚子おろしぶっかけうどん2人前」はつゆを増量した。
高級中華販店のような、ひと味違う冷し中華が味わえる「日清中華 麻辣涼麺 よだれ鶏風醤油だれ2人前」320g(220g)と、「同 芝麻涼麺 棒棒鶏風ごまだれ2人前」310g(同)は、北海道を除く中部以東で新発売。各305円。たれがよく絡む中太の手もみ風麺を採用した。サラダチキンなどの鶏肉との相性が抜群。
大幅なアイテム拡充を図る「チルドカップ」シリーズ。茹でずにつゆをかけてそのまま食べられる「同 日清のどん兵衛」シリーズ3品を、3月16日から北海道を除く近畿以東で新発売。東日本向けの「冷したぬきうどん」と西日本向けの「冷しぶっかけうどん」各221g(170g)、そして「冷しきつねうどん」245g(同)。各300円。
同じく液体たれと具入りたれをかけるだけの「チルドカップ 日清中華」シリーズ2品を、北海道を除く近畿以東で新発売。「同 冷しジャージャー麺」228g(150g)と「同 冷し担々麺」216g(同)。各300円。
同社史上最も太い極太麺(♯10番手/直径3㎜)を採用した究極のつけ麺「つけ麺の達人 究極のつけ麺 特濃豚骨魚介2人前」518g(400g)を北海道と関東地区で新発売。500円。特選小麦粉に小麦ブランを配合した麺は、噛むほどに小麦のうまみが感じられる。たれは従来比2倍の魚粉を使った超濃厚な味わい。
即席カップ麺ではお馴染みの〝トリオ〟が同社からも新登場。〝日清 東京2020大会応援デザイン 東京トリオ〟を全国で新発売。「行列のできる店のラーメン 東京中華そば2人前」324g(220g)、450円。「つけ麺の達人 東京もりそば2人前」400g(300g)、360円。「日清の太麺焼そば 東京下町風ソース2人前」350g(同)、245円。パッケージは東京2020エンブレムにも使われる藍色と市松模様を大胆にあしらった。
また、既存品にもJOCスローガンと東京2020デュアルコンポジットロゴの入った特別パッケージを3月(つけ麺の達人、日清の太麺焼そばは7月)〜8月末まで限定販売する。
他にも3月1日から次の新商品を発売。中部以西で「まぜ麺の匠 広島汁なし担担麺2人前」316g(220g)、360円。北海道を除く関東以東で「ぶぶか 油そば2人前」326g(260g)、400円。全国で「フライパンひとつで 日清のにんにく醤油ラーメン2人前」392g(300g)、275円。北海道を除く近畿以東で「日清のそのまんま麺 うどん2玉」340g(340g)、オープン価格。近畿以西で「麻辣涼麺2人前」320g(220g)、305円。
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