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大阪初のスマートストア/トライアルカンパニー

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最新カートは歴史を変えるか

スマートストアとして生まれ変わったスーパーセンタートライアル二色浜店

トライアルカンパニーは6月17日、スーパーセンタートライアル二色浜店(大阪府貝塚市)、スーパーセンターりんくうタウン店(同泉佐野市)、同富田林店(同富田林市)をリニューアルオープン。関西エリア初となる最新のカートを導入したスマートストアとして展開する。

従来のスマートショッピングカートは、専用プリペイドカードを購入しカートに登録。付属するスキャナーで、利用客が商品バーコードを読み取りながら買い回りし、キャッシュレス決済を実現するもの。最新型はこうした機能に加えスキャン漏れ防止機能を搭載しているため、スキャンを忘れてカートに商品を入れると自動検知し、タブレットにアラートが表示される。「スマートカートは便利だが、誤作動が不安」という初心者ユーザーの声に応えた。

二色浜店で120台、りんくうタウン店で150台、富田林店で105台を導入したことで、国内の最新型カート保有店は10店舗となった。新旧型合わせたスマートショッピングカートは、月間約120万人に利用され、71店舗・7500台が稼働しており、タブレット搭載型カートとしては世界一の稼働数だ。

当日の二色浜店は長蛇の列ができた。午前中のスマートカート利用者は、半々といったところ。ただ利用している人の中には年配者層も多く、新しい買い物スタイルに大きな抵抗はないようだ。もちろん不慣れによる不安もあり、店舗スタッフは引っ張りだこ。中には夫婦連れや複数で買い物に来ている人同士が教えあう光景も見られた。

IT活用だけでなく、小売としての魅力も発揮。関西で特に人気の高い農産や日配の売り場・品ぞろえを見直したほか、畜産では牛の一頭買いによるボリューム・品質を高めた。商品は全て税込のEDLP価格。自社で取水地を管理するPBのミネラルウォーター2ℓは49円で提供。また同社スーパーセンター業態平均では5~6万SKUをそろえるが、二色浜店の売り場面積は平均を上回る1500坪(敷地5600坪)と広さも十分。

同社は小売とITの融合型企業グループとして、およそ60年間、変わることのなかった国内小売業の変革に挑む。スマートカートだけでなく、今回の店舗では導入はなかったが、デジタルサイネージ、リテールAIカメラなどを組み合わせ顧客の利便性を追求する。

急速に新業態の確立を進めてはいるが、実験途上にあることも確か。例えば近畿圏(大阪・兵庫・奈良・滋賀・三重)合計で34店舗を展開しているが、スーパーセンター業態が多く店舗間に距離がある。また、生鮮やデリカ加工において、加工センターやセントラルキッチンを有するものの、より鮮度の高い商品提供に向け、インストア加工率を高めている。

業態確立には、ドミナント政策における物流効率化や店舗作業の低減が不可欠だ。ただスマート化を進める同社店舗の客数は増加傾向にある。フォーマットありきではなく、顧客満足の追求を優先した結果だろう。この追求の果てに、小売の歴史を変える新業態が、どのような完成形を見せるのか注目だ。

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