今年も上野東照宮で黒豆奉納式が執り行われた
フジッコが結成する「黒豆奉納実行委員会」は12月12日、東京・上野東照宮 金色殿にて令和七年「黒豆奉納式」を執り行った。江戸時代に篠山藩から黒豆が徳川将軍家へ献上されていた史実に基づき、初代将軍家康公をはじめとする歴代将軍を祀る同社殿へ新穀の黒豆を奉納した。
今年も徳川宗家第19代当主・徳川家広氏や俳優の松平健氏が参加。新穀の豊穣と生産者・関係者の無病息災を祈念し、食育の観点から松平氏による「黒豆鞘とり」の実演も行われた。
■ 「黒豆奉納式」実施の背景
フジッコはパーパスとして掲げる「5つの健康」のもと、日本の食文化への貢献を推進。“和食の魅力発信”の一環として、2023年に「黒豆奉納実行委員会」を結成し、江戸末期以来160年ぶりに黒豆奉納を復活させた。
黒豆の起源や食文化を再認識してもらうことに加え、黒大豆(大豆)と枝豆の関係を知らない世代が増えていることから、食育活動として鞘から豆を取り出す「黒豆鞘とり」も導入している。
奉納に先立ち、丹波篠山市・篠山城三の丸広場では新穀を運ぶ「出立式」を開催。古来より魔除けとして使われてきた黒大豆にちなみ、黒豆を“道中守り”として携え、公共交通機関で上野まで運搬した。

当日は、収穫したばかりの丹波篠山産「丹波黒」が、江戸期と同様の形式で奉納された。松平氏は鞘つき黒豆から豆を取り出す「黒豆鞘とり」を実演し、参列者は日本の伝統食材が持つ力を改めて実感した。
式後には、都立上野高校の生徒による“新年を祝う俳句”の中から、松平氏が最優秀句を選定。
選ばれた句は「黒豆や 輝く希望 ひとつまみ」。
季語“黒豆”が取り込まれた、奉納式にふさわしい一句が披露された。
また、松平氏は毎年恒例の「黒豆つかみゲーム」にも挑戦。過去最高31粒の記録には及ばなかったものの、寒さの影響もある中で24粒を掴み、来場者を沸かせた。
そして、松平氏に今年の漢字を聞くと「輝」を挙げた。多くの人に光を、笑顔を届けられた」と語った。

■ 参拝者向け「黒豆ふるまい」
奉納式後は、参拝者を対象に黒豆の試食提供やゲーム体験を実施。松平氏から直接ふるまいを受けた来場者からは「会えて嬉しい」「元気が出た」といった声が上がった。
ふるまいには、
* 黒豆300年の歴史をまとめたオリジナル冊子
* フジッコの丹波黒黒豆
がセットになっており、数量限定で配布された。
ゲームの優秀者には、特製「上野東照宮オリジナル黒豆御守り」も贈呈された。

■ 「黒豆ふるまいイベント」概要
実施期間:2025年12月12日(金)~14日(日)13:00~16:00
場所:上野東照宮 神楽殿前
内容:
* 黒豆フォトスポット
* 黒豆のふるまい(数量限定)
* 黒豆つかみゲーム
主催:丹波黒黒豆奉納実行委員会
(株式会社小田垣商店、丹波篠山市観光協会、フジッコ株式会社)
後援:丹波篠山市
協力:株式会社精養軒、兵庫県丹波黒振興協会
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