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2期連続で最高益を更新/三菱食品

投稿日:2023年5月22日

中経目標前倒しで達成

京谷裕社長

三菱食品は5月11日に本社で2023年3月期決算説明会を開催。厳しい外部環境が続く中において2期連続で過去最高益を更新し、「中経2023」の定量目標を1年前倒しで達成した好決算。京谷裕社長は、中経2023最終年度の総仕上げ、2030年に向けて次世代流通業への進化へ加速する考えを示した。

売上高は1兆9967億8000万円(前期比2.1%増)、営業利益234億3300万円(23.1%増)、経常利益251億9900万円(23.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益171億2600万円(22.8%増)の増収増益で着地。ROEは2.1ポイントアップの9.7%だった。各段階で2月6日に上方修正した業績予想も上回り、中経2023の定量目標(経常利益220億円、ROE8%)を1年前倒しで達成した。川本洋史CFOは相次ぐ値上げ、コスト上昇などの環境変化に「対応できた。非常に好調な決算だった」とコメントした。

物流委託料や電気代等のコスト上昇分、一時金等の人件費増加に対し、利益率改善や不採算取引の見直し、業務用復調による粗利増加、新規連結子会社増加で打ち返し増益につなげた。

売り上げ面では、加工食品(6592億円)が家庭内需要の減少や取引見直しで1.6%減収も、低温食品(5795億円)が業務用食材の復調、新規連結子会社効果から6.9%の増収。酒類(4832億円)は2.6%増、菓子(2725億円)は1.1%の増収だった。また利益面では加工食品が22.8%増の58億円、低温食品が34.4%増の124億円で全体をけん引した。

品種別売上高では、家庭内需要減少と取引見直しが響いた嗜好品・飲料類(4.5%減)を除き全項目で増収。けん引した冷凍・チルド食品類は業務用食材の復調とディスカウントストアを中心に取引を伸ばした。

業態別では卸売(1977億円)が業務用復調から18.4%増。最大規模のSM(9443億円)は家庭内需要の反動減と取引見直しから2.5%の減収に。その他、CVS(3702億円)が2.4%増、ドラッグストア(1667億円)が7.2%増など。

今期の業績予想は、売上高2兆200億円、営業利益243億円、経常利益260億円、親会社株主に帰属する当期純利益175億円、ROE9.3%。さらなるコスト上昇が予想されるものの、引き続き不採算取引の見直しや物流効率化により3期連続での最高益を目指す。

また、成長戦略と位置付ける「メーカーサポート」「商品開発」「リテールサポート」による利益貢献では、メーカーサポート(23億円)はデジタル分野への先行投資から2億円の減益予想。商品開発(19億円)は「ハリボー」や「からだシフト」をはじめとするオリジナルブランドの拡販に加え、新たに代理店契約を結んだ「リンツ」効果から11億円の増益を見込む。そこにベースとなるリテールサポ―ト(234億円)を含めて8億円増の経常利益260億円を予想。2030年に向けてデータ・デジタルマーケティングを加速、海外事業、物流事業を含めて経常利益構想300億円~350億円を支える収益基盤に育成する。

その他、投資関連では設備投資60億円(11億円増)、システム開発40億円(9億円増)、事業投資50億円(5億円減)で前期から14億円増の150億円。償却・支払リース料は120億円(2億円増)。配当は3期連続増配の130円、配当性向30%超を見込む。

なお、今年のダイヤモンドフェアは7月26~28日の3日間開催するほか、約400社の仕入先へのソリューション提案を行う三菱食品ビジネスパートナーミーティングは8月8日の開催を予定する。

2023年5月22日付

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