22年度も増収増益見込む
日本アクセスの物流パートナー企業75社で構成するアクセスロジスティクス会(会長:SBSホールディングス鎌田正彦代表取締役)の第11回総会が3月17日に浅草ビューホテルで開催された。会員・賛助会員ら200人以上が出席した。
日本アクセスの佐々木淳一社長(現会長)は、2024年度を最終年度とする3カ年の第8次中期経営計画、ならびに22年度の着地見込みを説明し、業界ナンバーワン卸をアピールした。22年度は売上高2兆1928億円(前年比103.4%)、経常利益257億円(107.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益171億円(104.9%)。当初計画の売上高2兆2000億円、経常利益249億円、当期純利益167億円に対して、わずかに売上高は届かなかったが、利益面は上回った。24年度は売上高2兆4203億円、経常利益278億円、当期純利益189億円を計画する。
佐々木社長は経営を取り巻く環境の変化による物流事業への影響を説明し、人件費高騰と人手不足の深刻化、エネルギー価格や食品価格の高騰を課題に挙げた。
人件費高騰と人手不足に対してはMOVO導入による配送業務の見える化により、22年度で約1.2億円のコスト改善が図れ、23年度には2.3億円を計画する。22年度までで126拠点に導入を終え、23年度は4拠点で計画する。2024年問題、ドライバー不足が懸念される中、配送効率の向上に努めていく。
エネルギー価格に対しては、VPPJapanとの取り組みで、可能な限り物流施設への太陽光発電システム導入を進めている。22年度までで合計16拠点、23年度には5拠点を計画する。同時に全国の各拠点で10%の電力使用量削減も進めている。
さらに食品価格の高騰を受けてセンターの通過額の上昇が続く。数量は変わらない、または減少する中で増減の正確な検証と把握が重要と認識。各拠点での作業効率化と経費低減を進めている。
また2024年問題に対しては、フローズンマザーセンターの全国展開により、ドライバー不足、長時間労働待機などの物流課題解決につなげていく。昨年1月に本格稼働した関東フローズンマザー物流センター(埼玉県加須市)では、パレット納品の荷下ろし時間が平均30分短縮し、作業生産性は3倍以上の効果が表れている。今年度は東北と中部、24年度は九州での稼働により物流課題に取り組んでいく。
物流拠点整備も大きな鍵を握る。多様化するビジネスに伴い、拠点・ITインフラへの投資が重要となり、3カ年で360億円を計画。本社戦略組織ロジスティクス管掌下に物流拠点整備推進室を新設し、20拠点の閉鎖を伴う拠点数の集約を進め、営業部門横断型の効率的な体制を構築する。さらに新物流システム(次期Captain)の構築で収益基盤を支える。
その他、22年度の物流クレーム・物流事故が2件(フロチルラベル未貼付商品の出荷)あったことを報告。前年の8件からは大きく減少したが、クレーム撲滅に向けた取り組みの重要性を強調し、ゼロを目指す。
また、4月1日付で社長に就任する服部真也副社長がこれまでの経験・経歴を交え挨拶。ロジスティクス管掌の宇佐美文俊取締役常務執行役員がロジスティクス事業方針を説明。さらに各担当者が全国物流改善事例を報告。このほか物流評価制度の表彰式、講演、懇親会等が行われた。
2023年4月3日付