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国内出店基盤を再構築 成長と深化の5カ年/セブン&アイHD

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グローバル流通業を目指す

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は7月1日、2025年を最終年度とする5カ年の新中期経営計画を発表した。海外・国内のCVS事業の成長と、グループ食品・大型商業施設の深化と大きく4つの重点戦略を策定。30年に向けた改革推進を先導するグループ像「世界トップクラスのグローバル流通業」を鮮明に打ち出した。同日開催のオンライン会見で井阪隆一社長=写真=は、CVS事業について成長軌道が見えた北米市場と同国以外へのグローバル戦略、国内市場の再成長を大きな課題として挙げた。

新中計最終年度の財務目標はEBITDA1兆円以上、ROE10%以上、EPS成長率(5年間平均)15%以上を掲げた。23年度までに不採算店舗への対応、人員最適化などの事業構造改革を完遂。これと並行し成長戦略をはじめ、DXや金融などグループの戦略投資を積極的に進める。24年度以降を投資成果が顕在化するフェーズと位置付けた。

海外CVS事業は、グループ成長のメインドライバーとなる。中でも北米(7-Eleven inc.)は、今回取得した北米シェア3位のspeedwayとの統合効果を発揮させる。店舗数はspeedway約3000店と、さらなる約1000店の出店を見据え1万5000店舗超、FF売上高構成比20%超、DX活用のネットコンビニ「7NOW」の取扱店舗6500店(デリバリー構成比3%)を目指す。

国内CVS事業(セブン―イレブン・ジャパン)は、小商圏化の加速とニーズの多様化に対応すべく〝近くて便利〟をさらに進化させ、再成長軌道へと回帰させる。変化に合わせた品ぞろえの拡充と売り場レイアウトの刷新、グループ力を活用した商品調達、次世代型店舗の開発テストを進めながら出店再加速への基盤を構築する。

コンビニの使われ方は、新型コロナの感染拡大を機に大きく変容した。今までメイン商材ではなかったファミリータイプアイス、冷凍総菜、白ワイン、練り物、加工肉などの売り上げが高伸長。グループ各社との強固な連携により一層の品ぞろえの拡充を進める。

20年度の既存店売上高は97.6%。しかし、住宅・郊外立地では100.3%と伸長した。売り上げの半数以上を占める住宅立地には、変化に対応した新レイアウトを21年度末までに1万2000店に導入。また、都心の狭小店舗も、個店レイアウトに合わせた新設備の導入など1500店舗で対応する。

一方、DXによる新たな体験価値として、ネットコンビニを本格稼働させる。20年10月からリアルタイムで在庫が反映可能となり、課題のコンバージョンレートが改善。30分配送サービスのほか、AI活用の配送リソース・ルートの最適化やグループ商品の配達を視野に入れる。20年度末時点では約350店、21年度に1000店舗でテスト展開を実施し、25年度には全国展開を目指す。これにより営業利益5%の押し上げ効果を見込む。

共通インフラの構築

グループ食品戦略は、食品領域のさらなるシナジー創出に挑戦する。海外調達の促進、グループ商品力の強化(チームMD)、共通インフラの活用(生鮮)など、多様な業態を保有する利点を最大限に発揮して差別化を図る。井阪社長は、「グループ連携を強めなければ、他業態との競争に勝てない。大胆な革新が必要だ」と危機感を募らせた。

昨年までの店舗組織再編に続き、5月からは首都圏においてグループ共通インフラの構築に着手。セブン&アイHD、イトーヨーカ堂、ヨーク3社の共同出資で共通インフラ子会社のpeace Deli(ピースデリ)を9月に立ち上げる。25年度までにセントラルキッチン2カ所、プロセスセンター2カ所を稼働し、首都圏食品スーパー各店舗への商品共有を順次開始する。

さらに運営子会社には共同調達機能を加え、スケールメリットを生かした直輸入やコンビニへの生鮮食品、ミールキットなどの供給も計画する。直輸入は21年度にテスト供給を開始し、22年度の本格稼働を予定。そのほか、イトーヨーカ堂の青果センターを活用した野菜のセブン―イレブン店舗への商品供給では、神奈川エリアに8月から順次開始を見込む。

2021年7月12日付

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