THE FOOD WEEKLY

TOP NEWS 小売

こだわりの新・PB戦略に未来像を映す/西友

投稿日:

構成比25%も数は追わず

みなさまのお墨付き

西友は9月29日、プライベートブランドに関する戦略を発表。核となる「みなさまのお墨付き」シリーズのさらなる確立は、サプライヤーや消費者をも巻き込んだ新たなサプライチェーンの確立を予感させる。

中期経営計画・スパーク2022の中で「毎日のお買い物を一番安く」を実現すべくPBの開発・販売を強化。現状1200品目を展開し、昨年は過去最多となる500品目の新商品を発売。年間の平均売り上げ伸長率は122%で推移してきたが、昨年は前年比127%と増加し、販売金額も最高記録を更新した。

「みなさまのお墨付き」は、発売前に行う消費者テストで80%以上の支持を得たものだけを商品化。商品ごとに20~60歳代の消費者100人以上が味や価格などを審査する。大きく伸長した昨年は、定番品だけでなく簡便志向、健康性、おうち時間を楽しむ商材や罪悪感の少ない菓子類を付加価値PBとして提案したことが奏功した。

今年はPB領域を超えたオリジナル商品の開発にシフトする。「Ready to Eat & Cook(時間をかけず美味しく便利)」「Well-Being(心も身体も心地よい生活)」「Local & Seasonal(産地・原材料へのこだわり)」を新たに訴求。8月に発売した「大豆ミートのキーマカレー」は、動物性原料を使わず120gの緑黄色野菜が摂取できるなどの特性がヒットし計画比130%、具沢山な調味料「つぶつぶ刻み野菜入りケチャップ」は160%と好スタートを切った。

調達力の強化も引き続き推進。川上から川下まで一気通貫で取り組むことで高品質、安定した価格・調達を実現してきた。生鮮・デリカ・PBを統合した調達機能の基盤作りにも余念がない。その先には生鮮原料を生鮮品以外に、加工センターなどを活用し、デリカや加工食品として販売する製造小売業への進化も視野にある。さらに原材料に付加価値を加えた独自商品の開発にも着手。

木下本部長

全ての需要にPBで対応するかのような印象を抱くが、PBにも弱点はある。商品本部・木下数基本部長は「何が売れるか不透明な昨今、PBを強めすぎると客の変化についていけなくなる」と分析する。例えば小売業が不得手とするリノベーションは、NBに任せる考えだ。

PBとNBのミックス提案がなければ売り場の魅力は落ちる。一方でNBの廉価版がPBという位置付けは変える。こうした考えを象徴するのが、加工食品売り上げのうち、PBで25%を確保するという目標設定。昨年までは販売数量を設定していたが、今年からその追求をやめた。数量目標の達成より、1品ごとの商品力の強化が優先されるからだ。

重要なのは消費者との接点を増やすこと。同社店舗の1日当たり来店客数は120~130万人で、顧客こそ財産として、商品開発から店作りにも消費者参加型で取り組む方針。さらにメーカー、卸も商品・店作りに貢献する「顧客」と捉える。サプライヤーとは中長期的な視点で計画を協議。5年後の西友に対し、サプライヤーがどのようなビジョンを描いているか、互いの目標を合致させ双方のメリットを追求する。なお年内のPB値上げはない。売価設定も消費者テストでパスする必要がある。こうしたこだわりに食品SMの未来像が垣間見える。

2021年10月11日付

-TOP NEWS, 小売

Copyright© フードウイークリーWEB|週刊食品 , 2021 All Rights Reserved Powered by STINGER.