試験栽培を開始し製品化につなげる
「ゆめちから」および「芽系21001」の生育中の草姿
日清製粉と日清製粉ウェルナは、農研機構と共同でパスタ向けの国産小麦品種「芽系（めけい）21001」を開発した。デュラム小麦に近い強い食感と濃い黄色みを持つのが特長で、国産小麦を使ったパスタ商品の普及が期待される。
デュラム小麦は本来パスタ適性が高いが、収穫期に雨の多い国内では安定生産が難しい。このため両社は農研機構と共同研究を進め、穂発芽や赤かび病に強く、パスタ用としての物性を備える普通系小麦の育成を目指してきた。
新系統は、黄色みの強い「芽系16063」と、生地の強さが特徴の「勝系154号」を交配して開発。農研機構北海道農業研究センターでの試験では、パン用小麦「ゆめちから」と同等の収量が見込まれ、穂発芽耐性や赤かび病抵抗性も同水準かそれ以上だった。
日清製粉グループが実施した加工試験では、芽系21001を使用したパスタは「プリッとした食感と強い生地感」が得られ、濃い黄色みも確認されたという。乾燥パスタの品質はデュラム小麦製品に近いレベルに達した。
今後は試作栽培を進めるとともに、国産パスタとしての商品化を目指す。国産原料によるパスタ市場の拡大につながる可能性がある。
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