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くるみ表示義務化前に、食物アレルギー啓発イベント/プロジェクトA

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アレルギー分野の権威、海老澤元宏氏が食物アレルギーの最新情報を報告

協力企業6社と記念撮影

食物アレルギー配慮商品を販売するメーカー6社(エスエスケイフーズ・オタフクソース・ケンミン食品・永谷園・日本ハム・ハウス食品)が取り組む「プロジェクトA」は2月19日、アレルギーの日(2月20日)を前に都内でプレス向け啓発イベントを行った。

食物アレルギー最新情報を説明する海老澤元宏氏

イベントでは、国立病院機構相模原病院臨床研究センター長で、一般社団法人日本アレルギー学会理事長の海老澤元宏氏が、食物アレルギーの最新情報を報告。アレルギー疾患の変遷からアレルギーの仕組み、小児アレルギー疾患の有症率・有病率の推移を解説。アトピー性皮膚炎や喘息と比べて増加傾向にある食物アレルギーの原因物質は主にタンパク質にあると指摘し、タンパク質には加熱や発酵によりアレルゲン性が下がる、または変化しないなどの特徴があるという。

また、疫学上の最近の話題として、4月の表示義務化で注目されるクルミの年間消費量が過去10年で約1.6倍に増加している点や、特定原材料に準ずる位置づけのカシューナッツも約1.8倍と増加傾向にあることを指摘。

即時型食物アレルギーの原因食物を種類別でみた場合に、木の実類が鶏卵に次ぐ第2位、品目別でもクルミが鶏卵に次ぐ第2位となっている。木の実類では上位がクルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ピスタチオで症例数の増加が目立っている。なお海老澤氏によると、日本の加工食品の表示は「おそらく世界ナンバーワン」と高い評価を付けた。

6社協同による「夢のお子様ランチ」

その他、食物アレルギーのある家族を持つ母親3人による座談会も行われ、家庭内での食事だけでなく、外食・中食時の苦悩など切実な想いが述べられ、プロジェクトA参画企業から取り組みのさらなる強化が伝えられ、6社協同で初となる特定原材料8品目不使用のレシピ「夢のお子様ランチ」が発表された。レシピは、昨年4月に日本ハムが運営する食物アレルギー総合プラットフォーム「Table for All 食物アレルギーケア」で行ったアンケート調査に基づき、多くの声が寄せられた「好きなものがたくさん入っている」「食べてワクワクする」「みんなで一緒に食べられる」という要素と人気上位メニューを参考に、料理家の長岡美津恵氏監修のもと6社の商品を組み合わせて実現した。レシピは同日からプロジェクトAのWebサイトで公開される。

一方、今年で5年目を迎えた小学校を対象とした食物アレルギーに関する副読本。4年間累計で1,900校を超える小学校に無料配布してきた。今年も特定原材料くるみを加えた改訂版を同日から配布していく。

プロジェクトA
https://www.otafuku.co.jp/product/otafuku_allergy/pja/

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