役所広司さんが20周年CMにも意欲
今から10年前の2011年11月7日、東日本大震災の爪痕が大きく残る食品業界で鮮烈なデビューを飾った東洋水産の即席袋麺「マルちゃん正麺」が発売10周年を迎える。発売から1年で当初計画の2倍となる2億食、200億円を販売し業界を席巻した光景に対し、当時は「マルちゃんショック」とも表現された。今年9月末までの累計販売食数は19億食を超え、20億食突破を視野に入れる。
10月27日に都内で「マルちゃん正麺10周年記念発表会」が開催された。発売当初からCM出演を続ける俳優の役所広司さんも登場。11月1日放映開始の新CMのお披露目を兼ねて「マルちゃん正麺」への思いを語るとともに、20周年へのCM出演にも意欲。「わしにもできる…チャチャっと手料理…」と、10年後のフレーズまで披露した。役所さんはスーパーへ出かける際には、必ずインスタントラーメン売り場に足を運ぶという。「売れているか気になる。体に染みついている」と愛着を語った。
また、東洋水産加工食品部即席企画課の中嶋健太郎課長と、商品のネーミングを担当したクリエイターの福里真一氏、食文化研究家でインスタントラーメン専門店やかん亭代表の大和イチロウ氏による対談では、これまでの10年の歩みと未来について展望した。
福里氏は商品のネーミングを東洋水産に提案する前、当初は「マルちゃん製麺所」を考えていたところに、「所」や「製」が固いとのスタッフの声を聞き、「マルちゃん正麺」を第一候補で提案したと明かした。その他、多くのアイデアも提案したが、最終的に今の名前に決まったという。
また中嶋氏は、当時は全国的に展開する袋麺ブランドを持っていなかったことから、「売り慣れていなかった」と振り返った。近年は「チャチャッと手料理」の提案が奏功し、2020年度は18年度比で131.9%と大幅な伸長を見せる。大和氏も「アレンジの余地はまだまだある」と語り、今後の成長に期待。中嶋氏も「マルちゃん正麺は晩ごはんにも使えるおいしさ」とし、さらなる販売増加の可能性を口にした。
この他、加工食品部の福田肇執行役員部長から役所さんへ感謝状が贈呈された、役所さんは「人生で一番大きな感謝状」と笑み。さらにチャチャっと手料理のCMでおなじみのレシピを試食、そのおいしさに改めて満足と納得の表情を浮かべた。
なお「マルちゃん正麺」では、10月25日から10周年記念商品2品が発売され好調な売れ行きを見せるとともに、来年1月末まではクローズドキャンペーンも実施。11月からは新CM、緊急事態宣言が明けたことを受けてキッチンカーを活用した店頭プロモーションも再開する。
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