丹波黒育成体験プログラムが今年も始まる
フジッコは6月8日、一般公募の15組30人を招き黒豆の苗植え体験を丹波篠山市内の圃場で実施。今回の参加メンバーは8月24日に圃場の手入れ、10月19日に黒さや(枝豆)収穫、12月7日にはポートピアホテルで穫れたて新豆を味わう会と1年を通じて黒豆が食卓にのぼるまでの過程を経験する。
当日は好天に恵まれ、15組の親子は元気に黒豆の苗植えに挑戦。圃場は地元の老舗豆類卸小売企業・小田垣商店が所有するもので、同社の田村隆弘さんの指導の下、行われた。50㎝幅で植えるため、昨年から利用を開始した「なかよしくん」も活躍。
このプログラムでは、通常より粒が大きい「丹波黒」の育成家庭を学ぶ。7月末から盆当たりの夜間の気温が高まらず、適量の雨が降れば良品が出来る。昨年は猛暑で夜になっても気温が下がらず、全ての工程で遅れが見られた。丹波篠山エリアでは、通常400t(作付面積600㏊)程度の丹波黒が収穫されるが、昨年は半作以下だったという。今のところ当地での丹波黒の生産量や作付面積は、毎年、多少のアップダウンはあるものの、大きな変更はない。ただ、年末の黒豆需要は拡大基調にあり、今年は盛り返したいところ。
苗植えが完了、田村さんからは「皆さん上手に植えてくれた。これで良い豆が育つ」と太鼓判。この後、一行は小田垣商店に移動し昼食。振舞われた弁当はポートピアホテル製造のおかずと黒豆入り蒸しパン、さらにフジッコによる黒豆たっぷりのおにぎりと、正に豆づくしのメニューだった。午後からは小田垣昇社長が挨拶、同社スタッフによる小田垣商店や黒豆についての説明があった。同社1階には土産物店とカフェが常設されているが、来年4月には宿泊施設も出来るという。1回当たり1組のみが宿泊できるもので、予約が殺到しそうだ。なお、来年は大阪・関西万博と連動し、万博期間中の来場者を丹波篠山へ誘致する動きもあり、その委員長を小田垣社長が務める。
参加者は選別作業も体験。傷が入ったり実が割れたものを、より分ける作業で、子ども達が熱心に選別していた。通常業務では選別によるロスは1~1.5割程度だが、近年は農家の高齢化、人手不足などから生産者側が未選別のまま卸業に商品を届けることも多く、中にはロス率が3~4割にのぼる企業もある。同社では選別に人材を投入し、ロス低減に注力している。
この後、参加者は箸の持ち方を習ったうえで、箸で豆をつかむ「豆つかみゲーム」や豆にまつわるクイズなどを楽しんだ。今年も始まった丹波黒プログラム。引き続き天候・気候に恵まれることを祈る。
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