増産には生産者還元不可欠
奈良県三輪素麺工業協同組合(小西幸夫理事長)と奈良県三輪素麺販売協議会(池田利一会長)は2月5日、大神神社(奈良県桜井市)で、今年の三輪素麺の卸価格相場を、高値・中値・安値の中から占う卜定祭を開催した。
神事には小西理事長、池田会長など三輪素麺関係者、製粉関係者、全国乾麺協同組合連合会の日永田和隆専務理事、日本手延素麺協同組合連合会・兵庫県手延素麺協同組合の井上猛理事長らが列席。神主のお祓い、巫女による浦安の舞、玉串拝礼などが行われ、今年の宣託は「三輪の誉厄前18㎏」1万1800円と、昨年に続き安値となった。この後、三輪素麺掛け歌などが披露された。
小西理事長は三輪素麺作りの現状として、生産者不足や後継者難が続いており「減産傾向にあるが生産者への還元なければ生産増もない。生産者が意欲的に仕事できる環境を整えたい」とし、「安値のご神託だが原料高で昨年は千円の値上げを実施。今年の値上げは予定していないが、今後は不透明」と厳しい実情を打ち明けた。
直会では井上理事長が「素麺の原料は小麦粉、塩、油のみ。原料の価値がすなわち素麺の価値となるが、そこに地域の魅力を加え、ブランド力を上げていきたい」と話した。また池田会長は「素麺は高GI食品という価値があり、これを消費者に徹底して伝えたい」と話したほか、「変わらないものを、守るがために変えていく」として伝統食品にも変革の必要性を訴えた。
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