門信徒など宿泊者向けに精進料理など提供
がんこフードサービスは4月1日、京都市内に「和食・食事処がんこ西本願寺別邸」をオープンした。浄土真宗本願寺派本山西本願寺にある宿坊・聞法会館への出店で、宿坊内への出店は同社初となる。
前飲食店舗の退店に伴い、宿泊者向けの朝食対応と精進料理が提供できる新事業者を公募したところ同社が選ばれた。宿坊は約200人が宿泊できる。また聞法会館には250人が入る多目的ホールもあり宴会にも対応する。
強みとする和食業態での出店だが、メニューは既存店とはやや異なる。主要客が門信徒などの宿泊客や観光客、西本願寺関係者となり、以前の店のメニューもある程度踏襲する形で運営。強みの本格和食の他にロースかつ丼980円などの丼、きつねうどん660円などの麺類、カレーライス880円などのメニューを充実させた。得意のにぎり寿司は導入しないが、今後のニーズを分析して検討する。
和食の看板メニューは「松花堂弁当」1980円。造り、天ぷら、炊き合わせ、おばんざい、ご飯、味噌汁のセット。季節感を演出するため、シーズンごとにメニューの変更を計画。「精進料理」は今回初めて具体的にメニュー化した。観光客やベジタリアン、宿坊体験者に対応すべく、動物性食材を使わないメニューもそろえた。2000円、3000円、4000円の3種類で3日前までの予約が必要。この他に日替わり定食880円や、ゆば豆冨鍋1000円、ドリンクではアルコールも提供する。
店は居抜きで、前店舗の退店後すぐに内装作業を行い、休業期間無くオープン。同社の小嶋淳司会長は店のイメージを「自然の要素を取り入れて、温かみのあるくつろげる空間にした」と紹介。和のイメージを演出し、植物の絵や庭の緑などで自然の持つ温かみが感じられるレイアウトにした。テーブル席は約190席で、庭が見える個室も1室あり増やすことも検討する。
宅配対応で客から喜びの声
外食業界では現在、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛などで客数減少の影響が出ている。小嶋会長は「雇用を守るためにも中堅企業への行政のサポートが欲しい。外食業界もただ自粛するばかりでもいけない」と、前向きに外食の魅力を発信する必要性を語った。同社では今回の難局を乗り切るため、店舗ではにぎりすしやしゃぶしゃぶの食べ放題企画を開始。また宅配弁当(2個から)も新たに始めた。特に宅配については、がんこの料理を食べたいが外出できない消費者から喜びの言葉が届いており、従業員の力になっているという。
【和食・食事処がんこ西本願寺別邸概要】住所/京都府京都市下京区堀川通花屋町上ル柿本町600-1聞法会館地下1階▽席数/約190席▽営業時間/朝7~9時、昼11~14時、夜17~21時。年中無休▽客単価/昼2000円、夜4500円。
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