大阪でベジタブル・ソリューション2020
カゴメは2月13、14日、同社大阪支店(大阪市淀川区)でベジタブル・ソリューション2020を開催。2年に一度の業務用展示会としてきたが、18年からは顧客の課題解決を目的とした提案会に変更して今年で2回目。当日は業務卸や量販店惣菜担当者、加工メーカー、外食店など前年・計画を上回る約580人が来場した。
会場入り口ではパネルによる概要説明に加え、来場者の野菜摂取量を計測する「ベジチェック」を実施。さらに独自調査として料理好きこそ惣菜利用率が高いことやインバウンド需要の獲得に向け、ヴィーガン・ベジタリアン提案の必要性をパネルで紹介。
ヴィーガン・ベジタリアン向けは、パネルだけでなく幅広いメニューでも提案。ここで注目を集めたのが業務用で展開する「野菜だし」。同社では昨年、動物性原料を配合しないパスタソースを発売。今年2月27日からは同コンセプトのカレーを発売するが、いずれも野菜だしを使用することで、充実したうま味を実現している。
会場では野菜だしの外食・惣菜メニューへの利用を訴求。これを下味に使用したメニューとしては、鶏の唐揚げが一番人気だった。野菜だしの用途としては、フランス料理店ではブイヨンを作る手間が省けるほか、訪日外国人が多く来店するラーメン店でも、別鍋でヴィーガン向けスープを作る手間が解消できる。
メニュープロモーション連動コーナーでは、昨年から注力し、好評の冷凍イタリア産野菜使用のラタトゥイユ、野菜摂取をサラダに代えてスープで行う提案のほか、洋食メニューが日本の食文化であることを再認識し、インバウンド需要に向けて発信することを紹介。これらのメニューとプロモーションを連動することで、顧客満足と単価アップが期待できる。
メニューアップグレードでは、おいしさ・彩り・ヘルシー性の各面で、定番メニューを上質化することにより、メニューのマンネリ化回避、付加価値による単価アップを提案。冷凍野菜を使用することは、歩留まりを考えると生鮮利用よりコスト削減につながる。
また、同社ならではの提案として注目を集めたのが〝トマトの切り売り〟。ユーザーによりトマトのうま味だけを活用したい、リコピンの機能性だけが欲しい、加工食品の製造においてトマト繊維で粘度を付けたい―など異なるニーズに対応するもの。このほか豆腐にバジルピューレを混ぜる提案も好評だった。
野菜素材商品の全ラインアップも紹介。オニオンソテーの利用による人手不足の解消、ごぼうピューレの介護食への利用、豆嫌いな子どもには豆ピューレ入りメニューなどを提案した。生鮮トマトへのこだわり、トマト調味料の豊富なラインアップも紹介。
大阪会場特別ブースでは、25年の大阪・関西万博をテーマに関西地場の素材を使用したメニューを訴求。関西エリアでは万博に向けたホテルの新設ラッシュが続いているが、ホテル従業員の確保が難しい。省力化の中でも、魅力的なメニュー作りに貢献できる提案を行った。
大阪産彩誉(あやほまれ)や和歌山産みかんとトマトジュースのスムージーなどを紹介したほか、不二製油の植物性品(豆乳関連など)とカゴメ製品による、コラボメニューも披露した。
また、開催期間中は健康セミナー「ヒトはなぜ野菜を食べられないのか」も実施。堀井一彦支店長は「健康増進に向けた働きかけとして、商品提案以外にソフト面でのサポートにも注力する。セミナーもその一環で、今後も強化したい」と話した。なお全国7会場で同提案会を実施し、合計4000人以上が来場予定。
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