新町店がオープン。単身・若者層多い商圏
阪急オアシスは3月14日、「阪急オアシス新町店」(大阪市西区)をオープンした。都市部における300坪規模の店舗はこれまでも展開してきたが、商圏とこれに合わせた取り組み、店作りは従来にないチャレンジ店舗となる。
1km商圏の人口は約3.7万世帯、6.5万人強。30歳代が最も多く次いで40歳代、20歳代と若い世代が大半を占める。単身世帯比率(58%)も高く、2人世帯が次ぐ。職住混合エリアで人口は増加中。店舗は1階で、2階には医療モール、店舗上には隣接する客室160室のホテル「hotel it.(ホテルイット.)」が5月にオープン予定。
こうした商圏から、健康・美容、時短、即食の品揃えを強化しているほか、昼食需要やホテル宿泊客の取り込みを視野に40席のイートインスペースを設置。そのスペース内には「カフェ&バー」を導入し、食事・飲酒が楽しめるよう、グラスの貸し出しも行う。商圏特性に合わせた品揃えに、小型店ながらグローサラント提案を絡めて時間帯別の売場作りを行う。
農産は健康、時短、合理性を重視。サラダ類を充実させ、機能性、健康性の高い「健康系サラダ」や2分の1日分の野菜が簡単に摂れるレンジ調理のフレッシュスープを揃える。キッチン&マーケットで人気のドライフルーツは「NUTREE」ブランドで展開。低糖質の提案では「カリフラワーライス」「キャベツライス」も揃え、今後提案を強めていく。サラダ、カット野菜の周辺にはサラダチキンや生ハム、蒸し豆などを関連販売。
水産は塩干では、おいしさ重視の〝こだわり比率〟を上げ、鮮魚では〝即食比率〟をアップ。市場直送の天然魚をベースに時間帯別MDを強化。「天然魚造り」「贅沢盛(少量目)」「カルパッチョ」などを展開。畜産は「肉の専門店 たか橋」を導入。対面で佐賀牛を中心に品揃えし、少量・適量サイズを提案。また「魚屋さんと肉屋さんのグリルデリ」では、煮・焼き魚やたか橋自家製ハンバーグなどを揃えワンランク上の惣菜を展開する。
デリカ・ベーカリーでは20~40歳代の女性向けにレンジアップ商品を拡充。開店~昼食時、16~19時、19時以降とアイテムを変更し、食シーンを想定した適時・適量・出来立てで対応。さらにキッチン&マーケットの人気商品も導入。ベーカリーは100円パンから高いこだわりパン、伊丹昆陽東店から導入したプリンも。
加食は健康、簡便、少量、トレンドなどを軸にSKU(約5300)を絞り込んだ。一方でカフェ&バーの設置により、酒類は品揃えを強化。「ハイボールBAR」「クラフトビール」などをコーナー化。日配ではキッチンマーケットのフルーツサンドや野菜たっぷりサンドなどを「Cafe Sand+」としたコーナーを設けた。加食のSKUを絞ってはいるが、今後、顧客の声を聞き入れてより需要に合った品揃えも行う。
これまでハイ&ローの価格政策を中心としてきた同社だが、脱価格競争、働き方改善を進めるべく、当該店舗ではEDLPを主体とし、価格以外の提案で今の時流に沿った「高質食品専門館」を目指す。
【新町店概要】所在地/大阪市西区新町4-6-23▽売場面積/997㎡▽営業時間/10~22時▽駐車場/35台(駐輪台数110台)▽年間休日/1月1~2日▽売上高/年商=15億円(投資10億円、投資回収8年10カ月)、オープン初日=840万円(計画700万円)▽競合/500m圏内にライフ、KOHYO
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