食事でうつ病予防の最新研究を報告
食品の機能性成分の疾病予防研究を支援するブラシカ基金(本部:米国バージニア州、アントニー・タラレー代表)は10月23日、東京・帝国ホテルで「食品成分によるうつ病予防」をテーマとしたメディア向けセミナーを開催した。
ブラシカ基金は1997年の設立以来、食品の機能成分の中で、特にブロッコリーなどのアブラナ科(ブラシカ)の野菜に含まれるファイトケミカルのひとつ「スルフォラファン」の疾病予防研究の支援を行っている。そして近年、スルフォラファンにうつ病や自閉症、統合失調症など複数の精神疾患に対する予防や症状抑制効果が期待できることが明らかになってきたという。
ジョンズ・ホプキンス大学で長年スルフォラファン研究に従事しているジェド・ファヒー博士が、自閉症スペクトラム障害の患者に対する臨床試験の研究成果を発表。スルフォラファンを継続摂取することで、自閉症スペクトラム障害の症状が大幅に改善されたと説明。スルフォラファンは野菜から手軽に摂取することができ、まだ明らかになっていないことも含め、メンタルヘルスケアなど多くの可能性を示唆した。
橋本謙二千葉大学大学院教授は「メンタルヘルスにおける栄養学の重要性」と題し、マウスを使った動物実験によるうつ病に対するスルフォラファンの予防効果を報告。スルフォラファンは強力な抗酸化作用と抗炎症作用を有することから、グルコラファニン(スルフォラファンの前駆体)の投与により、うつ状態時にみられる脳の炎症を抑え、うつ病行動の発症予防に寄与するメカニズムなどを紹介した。
この他、自身のうつ病体験をもとにしたエッセイなどを出版している漫画家・文筆家の小林エリコ氏が登壇。橋本教授とうつ病対策の重要性に関するトークセッションが行われた。また、村上農園の「ブロッコリースーパースプラウト」を使ったランチメニューも紹介された。
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