抹茶のチカラの研究成果を発表
ネスレ日本と京都府が設立した「抹茶と健康研究会」は3月7日に都内で公開セミナーを開き、抹茶に関する科学的な研究活動から新たに発見された「抹茶のチカラ」について発表した。
研究会はネスレ日本と京都府が2016年11月に締結した「宇治抹茶の振興に関する連携協定」のもと、〝抹茶と健康のイメージ向上〟を推進する取り組みの一環として設立。抹茶と健康に関する科学的エビデンスの蓄積を目的とした研究・啓発活動を行い、17年から公募による基礎・応用研究の助成を開始。今回採択された助成研究により、「腸内フローラの改善」「肌の保湿」「心理的ストレスの軽減」の3つが飲用抹茶による新たな健康効果として示唆された。
セミナーでは、山本(前田)万里農研機構食農ビジネス推進センターセンター長が同研究会の概要や抹茶に含まれる機能成分などを解説。
また研究発表では、井上亮京都府立大学大学院生命環境科学研究科講師がヒト試験による「抹茶の腸内フローラ改善」について、抹茶が慢性的な下痢や発熱を伴う炎症性腸疾患とも関係する一部の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす効果が示されたと説明。抹茶の継続的な摂取が、腸内フローラの全体構成を変えることで腸内環境が改善される可能性を示唆した。
「抹茶の肌の保湿」効果については、永井克也ANBAS代表取締役・大阪大学名誉教授が動物実験による研究成果を発表。抹茶の飲用が皮膚の交感神経を抑制し、肌の血流が増加することで肌バリアを改善させ、保湿効果を生み出すメカニズムを紹介した。
この他、これまでの登壇者に藤井孝夫京都学園大学バイオ環境学部食農学科教授が加わり、パネル討議が行われた。
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