防災週間に第10回アマニフォーラムセミナー
日本製粉は第10回アマニフォーラムセミナーを9月3日に都内で開催。防災週間でもある今回は「心の安定と災害食」をテーマに各分野の専門家が講演。また、同社のアマニ製品10品目が日本災害食学会から8月20日付で災害食に認定された。アマニのオメガ3脂肪酸等が災害時の健康状態維持と、心の安定に大きな期待が持てるという。本セミナーでは災害時でのアマニの可能性についても紹介された。
開催に際し主催者あいさつに登壇した日本製粉の前鶴俊哉取締役常務執行役員は、情報が溢れる時代において何が重要かを見極める必要性が高まっていることを指摘。また情報を発信する側もアカデミックな、エビデンスを伴う情報を消費者に伝えることが重要としつつも、バランスよく食べることの大切さも付け加えた。
第1部では、日本栄養士会理事、栄養ケア・ステーション事業部副部長、東京都栄養士会会長、駒沢女子大学人間健康学部健康栄養学科教授の西村一弘氏が、自身が東日本大震災での被災地における経験を基に「災害栄養―災害時の栄養について」をテーマに講演。
災害時にみられる健康と栄養の問題、発災前に備えるもの、発災直後に行うこと、災害が長期化した場合への対処。そして全国で2000人以上の資格を持つ日本栄養士会災害支援チーム「JDA―DAT」の紹介まで、時系列での対処法を示した。特に被災地では睡眠薬が最も必要だったことや、温かい食事の重要性、ボランティア増加による衛生管理の難しさから避難所で炊き出しが出来なくなり、食生活が悪化した事例等を語った。
また、普段の生活の中でのローリングストックを推奨しつつ、いざという時のため、缶詰やアルファ化米を活用した「災害食」の献立の重要性も指摘。ただ食べるだけでは食事として継続するのは難しく、献立を具体的に考えておくのも効果的とした。
第2部では京都薬科大学病態薬科学科臨床薬理学分野教授、京都府立医科大学客員教授の中田徹男氏が「新しい高血圧診断・治療指針と非薬物療法の在り方」をテーマに講演。
脳、心臓、腎臓の連関の解説から、慢性腎臓病、塩と高血圧の関係性、降圧治療、高血圧のガイドラインなど、さまざまな研究データをベースに説明。その中で高血圧モデル動物を用いた、アマニの降圧、ストレス耐性効果に関する研究結果が紹介され、粉末による降圧効果と腎保護効果が認められた。さらに揺れによるストレス負荷時の昇圧や交感神経活動の上昇を、アマニオイルを投与したグループで抑制された点に着目。災害時にはさまざまなストレスによる高血圧や循環器疾患が発症することが分かっており、これらを軽減する効果の有無にも関心を寄せた。
第3部では日本製粉イノベーションセンターの川口康平氏が「災害の備えに、アマニを。」と題して、アマニの成分など基礎情報を説明。オメガ3脂肪酸、食物繊維、リグナンを豊富に含むアマニの習慣化を推奨した。
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