年間3万ケースの販売を計画
サントリースピリッツは、グループの世界5大ウイスキーをブレンドしたサントリーワールドウイスキー「碧Ao(アオ)」(700ml、5000円。アルコール度数43%)を発売する。第1期(4月16日~夏)、第2期(秋~冬)の2期に分け年間3万c/sの出荷を予定する。4月4日に都内でブランドセミナーを開催し、ウイスキー事業部の鳥井憲護部長が開発背景、概要を説明した。
サントリーグループは2014年5月にビームサントリー社を設立。これにより世界5大ウイスキー(アイルランド、スコットランド、アメリカ、カナダ、日本)の産地に蒸留所を展開する世界唯一の企業となった。
国内の18年のウイスキー市場は前年比108.8%の1674万c/sと拡大。ハイボール人気を背景にウイスキー需要が高まり、市場はさらなる拡大が見込まれており新たな価値を提供したいと考えた。
5大ウイスキーのブレンデッドウイスキーはこれまでも存在するが、自社蒸留所原酒のみを扱うのは世界初。鳥井部長は「ビームサントリー社誕生以来、いつか実現したいと考えていたがついに完成した」と語り、「碧Ao」をプレミアムブレンデッドウイスキーと位置付け〝サントリーの新しい挑戦〟を始める。
開発に際し原酒の選定、ブレンド、味わいの方向性を指揮した福與伸二チーフブレンダーも登壇。従来のブレンデッドウイスキーは〝調和〟を重視してきたが、今回は各原酒が持つ〝豊かな個性〟にも焦点をあてた。「各原酒がどのような風味をもたらすかは未知数。水彩絵の具、クレヨン、色鉛筆を使って一つの絵を描くような感覚だった」と、これまでにないブレンドの難しさを表現した。
しかし試行錯誤の末、ブレンド後に数カ月寝かせる「後熟」工程で香味が劇的に変化することを発見。出来上がった味わいは甘く華やかな香りとまろやかな口当たりながら、厚みとスモーキーさもあり「5大ウイスキーの個性が織り成す豊かな味わいに仕上がった」と笑顔を見せた。
取り扱いはバー、酒専門店、百貨店などウイスキーの知識を持つスタッフがいる業態を想定し、今後は海外展開も検討する。鳥井部長は「5大ウイスキーをサントリーのブレンダーが、匠の技で作り上げたウイスキーをしっかり訴求したい」と意気込みを話した。
なお、同セミナーは4月10日に大阪でも開催された。
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