市場は3年連続2桁成長
サントリースピリッツは1月27日、オンラインによるRTD事業戦略説明会を行った。成長著しいRTD市場に見られる、ビール類との併飲・シフト、外飲みユーザーの需要確保、多様化するニーズに対応する。
RTD市場は13年連続で伸長を続けており、直近の3カ年はいずれも2桁成長を遂げている。同社の昨年実績も109%で16期連続伸長。発売2年目の「こだわり酒場のレモンサワー」が2.5倍と急拡大したほか、「-196℃」「ほろよい」「のんある気分」などの定番品がけん引する。
RTD市場の拡大要因を次のように分析。昨年10月の酒税改正法以降、ビール類の併飲およびシフトの増加が大きく影響した。また、外飲みユーザーの家庭内飲用の増加や家庭で時間をかけて飲用するなどニーズの多様化も後押しした。
RTDがビール類に代わり食事中飲用に好適なことを、昨年10月の「-196℃ ストロングゼロ」のリニューアルとともに再訴求。この浸透に拍車をかけるべく、独自技術「-196℃製法」(果実をまるごと瞬間凍結後、パウダー状に粉砕して原酒に浸漬し香味を封じ込める)を改めて打ち出した「ザ・まるごと」シリーズ(レモン、グレープフルーツ、みかん)を3月30日から新発売する。
外飲みユーザーの需要確保には、飲食店で人気の「こだわり酒場」ブランドを家庭用でも強化。定番品をリニューアルしたほか、新定番として「追い足しレモン」を3月16日から新発売する。
また、月に1回以上外飲みをする2000万人のうち、家庭でもRTDを飲用する人は600万人にとどまるという調査結果を受けて、残る1400万人の潜在需要の獲得に向けて、ゆったりとした酔い心地を提供する「鏡月 焼酎ハイ(ちょい搾レモン・すっきりドライ)」を3月2日から新発売し、マイペースでの晩酌を提案する。
さらに家庭で楽しく過ごしたいというニーズに対し、飲む楽しさを発信する「ほろよい」ブランドの訴求力を強化。既存14フレーバーに季節限定品を加え、催事提案を行う。またビタミン系炭酸飲料の爽快で、甘酸っぱい味わいを体現する「シュワビタサワー」も2月16日から新発売。
飲酒の気分だけでも満喫したいユーザーにはノンアルコール提案も強化する。ノンアル市場は拡大基調だが、RTD市場をけん引するレモンサワーフレーバーが不在。〝ノンアルで晩酌〟の文化・市場創造に「のんある晩酌レモンサワー ノンアルコール」を3月2日から新発売し、2400GRPのテレビCMも投入する計画だ。
今年度の販売計画は「-196℃」104%、「こだわり酒場レモンサワー(缶)」143%、「ほろよい」111%に新商品を加え、RTD計で1億1774万c/s(117%)を目指す。
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