7月に「ファミペイ」始動
ファミリーマートは3月19日、東京ビッグサイトで加盟店向け展示会の開催に合わせ、2019年度上期商品政策説明会を行った。常務執行役員の佐藤英成商品・物流・品質管理本部長が2018年度の総括と2019年度上期の重要施策を発表した。
18年度は主に女性の消費や健康ブームへの対応、オペレーション削減を推進した。「お母さん食堂」の品揃えは3段18アイテムを基本に展開したが、最大で5段30アイテムに拡大。加えて広告展開には香取慎吾の起用効果で認知度が向上。その結果、惣菜全体では、特にCMを投入した9月が前年同月比142%と新しい顧客の取り込みに成功。コーヒーでは昨年から新型什器を導入しているが、2月末時点で約6400台まで完了。合わせて中身も一新して全体売上で約110%を叩き出した。
健康への取り組みでは、2月末時点でスーパー大麦の販売数量が約5000万食に到達。さらに全粒粉サンドは約1600万食。その他、さまざまな学会認証制度を活用したスマートミール(予約弁当)は小規模ながら約250%を示した。
他方、サークルKサンクス(CKS)との統合による初年度売上は約110%、転換2年目では102%。効率面では配送コースが約11%削減。デイリーメーカーの工場数は約13%の削減に。
19年の商品政策の軸は①中食強化(米飯、惣菜)②冷食売場拡大(「お母さん食堂」など)③カウンター売場の強化(コーヒーマシン導入9月に全店完了、FF話題性・新定番商品投入)④日用品売場変更(無印良品終了、家庭紙・日用雑貨拡大)。
CVSに限らず各業界では、さまざまな形による顧客接点を求める動きが強まる中、同社はスマホアプリを中心に据える。7月に満を持して自社バーコード決済「ファミペイ」を導入する。
佐藤本部長は「リアルとデジタルのバランスとシナジーが不可欠」だと明かした。現状で15~39歳のデジタルネイティブが約3300万人いる一方、それ以上のデジタル非ネイティブが約7800人も存在する。非デジタルネイティブを置き去りにしない取り組みも重要になる。
ファミリーマートの顧客層の現状(18年)では15年と比較して40~50代が6%増、20~30代は7%減と中高年の利用増加と若年層の減少が起きている。課題は継続的な高齢層の囲い込みと、若年層の取り込みとなる。なお、統計上の20~30代の人口減少率は0.8%程度。
40代以上にはさらなる満足感を高め、ファミマのブランドを強化。テレビCMを通して〝面〟で訴求する。一方、20~30代には新たな期待感を提供。新商品や話題性のある商品をSNSやユーチューブを活用して〝点〟でアプローチ。最終的にはアプリによって囲い込みを進める考え。需要が高まる中食・冷食を強化しつつ、ターゲットに合わせた販促で攻める。
2019年4月1日付