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平成30年度は増収増益/国分G

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各カンパニーで収益改善進む

会見した國分会長㊧と國分社長

国分グループ本社は平成30年度(12月期)決算を3月1日に発表。増収増益だった。同日都内で会見し、國分勘兵衛代表取締役会長兼CEO、國分晃代表取締役社長執行役員経営統括本部長兼COOらが決算概要、ならびに今年度方針について説明を行った。

2016年からスタートした5カ年の「第10次長期経営計画」の前半3カ年は新目標管理を徹底し、新人事制度の定着、戦略5業態に対する積極的な取り組みを実施。さらに改正酒税法・酒類業組合法の改正に伴う公正な取引基準を遵守し、酒類事業における新たな戦略を構築。新しい収益管理規程と営業利益管理業務基準の徹底による質の強化。また、柔軟に働ける環境の整備を進め、時間有給制度やテレワーク制度を導入。収益管理の見直しを実行するためのツール「imap」を稼働させ、赤字撲滅に取り組んだ。

前半3カ年の最終となった前年度は、売上高1兆8857億6700万円(前年比100.3%)で何とか増収を確保。酒類が6345億7200万円(94.9%)と苦戦したが、食品が1兆1443億300万円(103.8%)でカバー。カンパニー別では国分フードクリエイト(KFC)が約264億円の増収。国分中部は約69億円、国分西日本と国分九州がそれぞれ約23億円、国分東北は約13億円の増収で寄与した。

一方、利益面では販管費が0.13ポイント上昇したものの、売上総利益率を0.15ポイント改善し、営業利益は86億9200万円(105.5%)、経常利益105億5300万円(109.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は58億4900万円(105.0%)で着地。設備投資額は約120億円に上った。また、全てのエリアカンパニーが増益。国分フードクリエイトも損失ながら前年比で約8000万円の改善で貢献した。

下に続く

前半3カ年を総括した國分晃社長は「計画に対して未達ながら、後半3カ年の中期予算として売上高2兆円、経常利益180億円の達成に向けて全力で取り組む」と前を向き、今年度基本方針として次の6つを掲げた。
①顧客満足度№1企業を目指すため「顧客満足度調査」を3月に川下向けに、6月に川上向けに実施する。今年度からWEB方式を導入し、迅速に改善活動のPDCAを廻す。

②戦略5業態に対する取り組みを強化。「外食」では3月1日付でヘッドクォーターのフードサービス事業部傘下にグループ戦略推進室を新設。首都圏と近畿圏、中京圏のターゲット企業を選定し事業拡大を図る。さらに高齢者向け商材の開発・供給に注力する。
「中食」ではKFCオリジナルのクリエイトブランドの強化。生鮮商材のプロセスセンター(川崎)は小売業の人手不足ニーズに対応する。
「健康・介護」では食・楽・健康協会に加盟しロカボマーク使用商品の開発。アジア諸国の高齢化を見据え、韓国の展示会で介護食を提案。大手メーカーと連携した健康訴求商品の共同開発。サンフラワープロジェクトにおける調剤薬局との取り組み強化を進める。
「ネット/通販」ではマーケティング開発部傘下のギフト・EC開発課でネット/通販事業、BtoCサイト開発事業、ギフトパッケージ事業を推進。問屋国分ネット卸事業は国分関信越から国分首都圏へ移管。地域商材を活用した産直ギフト開発を進める。
「メーカー」とはサポートメニューバーチャンネル提案会を実施。営業・販促活動の代行、物流受託、品質検査受託、輸出支援などを行う。原料・資材販売も強化。北海道と中部、近畿、九州に専属担当者を配置する。
この他、関西総合センター(茨木市)を今秋に稼働。これにより三温度帯総合センターは全国で13拠点となる。

③「地域密着 全国卸」では国内外のあらゆるネットワークを活用し、全国・グローバルレベルで卸機能を発揮。各エリアで食経済圏のメインプレイヤーを目指す。

④「海外事業の基幹事業化」では中国とシンガポールで新たに資本参加。海外事業における輸出入、中国、ASEANの3本柱を強化していく。

⑤「総マーケティング人材化」では人材の適正配置を進める。シンプルな業務プロジェクトによる生産性向上で、戦略5業態、重点取組先、マーケティング部門、企画推進部門に人員100人をシフト。高い目標に沿ったPDCAを廻すことのできる企業を目指す。

⑥「消費税増税対策」として、社内対応、取引先を含めた万全な態勢を準備。適正な消費税の転嫁と価格改定は必要に応じて取引先各社に対して個別な説明、理解を求めていく考えだ。

この他、今年は売上高2900億円、中部地区最大の卸「セントラルフォレストグループ」(上場会社)が誕生する。グループ全体のガバナンスレベル高度化を実現していく。

また、国分グループ本社では経営企画部内に、サステナビリティ推進課とデジタルソリューション課を4月1日付で新設する。

2019年3月11日付

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