
晴れやかに年男24人による乾杯
2026年(令和8年)午年。酒類、飲料、乳業、油脂などの各団体で新年会が催され、食品業界も華々しくスタートした。今年は国家戦略分野に加わった政府主導によるフードテックへの重点投資をはじめ、閣議決定した人工知能(AI)の基本計画に伴う活用の本格化など、力強い経済と富の分配の実現に向けた動きに大いに期待が高まる。
DXと商品情報連携
國分会長が結束呼びかけ

國分勘兵衛会長
酒類食料品業懇話会は1月5日、東京・ロイヤルパークホテルで新年賀詞交歓会を開催した。メーカー、卸売業関係者ら233社、800人超が参集し、年初の業界課題や今後の方向性を共有した。
冒頭、國分勘兵衛会長(国分グループ本社会長兼CEO)が年頭挨拶に立ち、世界情勢の不安定化や気候変動の影響、昨年の米を巡る混乱などに触れ、「今年も油断できない一年になる」との認識を示した。命に関わる危険な暑さが続いたことにも言及し、気候変動が今後の商売に与える影響への懸念を表明した。
また、DXやAIなど情報技術の進展については前向きに評価する一方、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃の増加に強い危機感を示した。「我々の仕事は生活者の食のライフラインに直結している」と述べ、業界としての備えの重要性を強調した。
その流れで、経済産業省主導で進む商品情報連携の取り組みに言及。商品マスターやJANコードを基盤とした商品情報の標準化、産業横断的な情報連携の枠組みづくりが進められていることを紹介した。昨年3月には関係企業が商品情報連携に関する宣言を行っており、「流通コスト削減やサイバーセキュリティ対応の観点から、今年こそ業界一体となって取り組みを進めたい」と協力を呼びかけた。あわせて、ASN(事前出荷情報)の整備など、流通効率化に向けた各種施策への理解と参加を求めた。
続いて、年男24人が壇上に登り乾杯。代表してサントリーホールディングスの鳥井信宏社長が挨拶に立ち、「慣れない飲み物で乾杯ですが、今年は午年。業界全体が〝うまく〟いくように」と洒落を交え、会場の笑いを誘った。
現場の処遇改善求め(京谷副会長)

京谷裕副会長
中締め挨拶は京谷裕副会長(三菱食品社長)が務めた。年末年始の大雪など厳しい環境下でも安定供給を支えた現場への感謝を述べるとともに、国際情勢の混迷に触れ、「変化を恐れず、混乱を好機に変えていく覚悟が求められている」と強調した。食品流通業界の処遇や社会的地位の向上にも言及し、「現場の皆さまの処遇改善に向け、業界として新たな一歩を踏み出せる一年にしたい」と語った。自身が3月末で三菱食品社長を退任することにも触れ、これまでの支援への感謝を述べた。
最後は、世界各地で続く戦争や紛争に思いを寄せ、万歳に代えて一本締めとし、平穏な日常が一日も早く戻ることを願って会を締めくくった。
2026年1月12日付







