佐藤社長が品質に満足

鏡餅の初荷がまさに出発した

記者陣の質問に答える佐藤元社長
サトウ食品は、新年に飾る鏡餅を御祓いし、無病息災・交通安全・商売繁盛を祈願する「サトウの鏡餅出発式」を10月29日に新発田工場(新潟県新発田市)で実施。384ケース(約2800㎏)を載せたトラックを見送った。
14回目となった出発式は初めて10月実施とあって、佐藤元社長は「10月最初も暑かっただけに心配した」と話したように、気温は15度前後で何とかお餅の季節感を感じさせる晴天下で執り行われた。地元の諏訪神社宮司による神事の後、初荷を積んだトラックを無事見送ったあと、佐藤社長が報道陣の質問に答えた。
注目となったのはコメ問題。もち米もうるち米同様に異例の価格高騰となっており、佐藤社長は「決定価格は2年前の2倍」と厳しい環境を口にした。一方、消費についてはコメ価格高騰を背景に朝食でお餅を食べる人が増えているようで、特にパン食に馴染めない高齢者から支持を集めているという。その影響もあって上半期の業績も順調に推移している。「業界にとっては良い機会」としつつも、もち米不足が顕在化している。
うるち米が700万tに対し、もち米はその4%の30万t程度。一部生産者はうるち米の増産政策を受けて転作したところもあり、「二度と戻ってきてくれないのではないか」と不安を吐露。しかし、今年も雨が少なく暑い夏だったが「いいお米がとれた。そのお米を大切にお餅にさせていただいた」と商品の出来には自信をのぞかせた。
10月末には鏡餅の注文が締め切られる。引き続き商品への小型化ニーズが強まる傾向が予想されるが、同社はプラスチック量削減につながる環境に配慮した製品ラインアップの充実を進める。橙を紙製にするなど独自の取り組みが注目を集めているが、佐藤社長は「お飾りは家庭で楽しんで飾ってほしい」との思いも語った。
なお、同社は10月1日出荷分から包装餅の価格改定を実施した。7月ごろまで物量ベースで2桁伸長と好調だったが、8月は前年特需の反動で減少。当面は物量でマイナス、金額でプラスでの推移を予測する。また、パックごはんも同様に価格改定を行ったが、「食品業界では多くの商品が値上げされたが、ごはんは健闘している方だろう」とコメント。引き続き消費者から高い支持を得られているようだ。
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