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原料問題が深刻化/サトウ食品

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もち米は来年への懸念も

佐藤元社長

サトウ食品は8月22日に本社で会見し、今年度の商品戦略を発表。佐藤元社長は、原料事情に関して非常に厳しい見通しを示した。

マスコミで連日のように報道される猛暑とコメの問題。6月以降渇水状態が続いた新潟県内に、ようやくまとまった雨が降ったのは8月に入ってから。しかも全域の雨とはならず。佐藤社長は、「今年は穫れてみないと分からない」と厳しい見通しを示し、柏崎の早場米の品質検査で全量が二等米だったことにふれ、「高温障害が出た一昨年でも1割は一等米だった」と、令和5年産を下回る可能性について言及した。

当然、もち米についても同様だ。作付量は近年減少傾向にあり、包装餅用原料米の殆どが新潟県内で生産されている。うるち米よりも手間のかかるもち米の生産量維持は農家との信頼関係も求められる。そして、米代替需要を受けて年初から好調な売れ行きが続く包装餅製品について、「年内の供給には支障はない」と語るが、得意先には早めの数量確保を呼び掛けている。また、全国餅工業協同組合理事長の立場として「この現状を新潟県、農林水産省とも早急に共有したい」と、今後の安定供給に重要な局面を迎えていることを示した。

一方販売面では、パックごはんが昨年の南海トラフ地震臨時情報発令に端を発し供給タイトな状況が続いてきたが、今年3月の価格改定以降いったん落ち着きを見せている。パックごはんの消費拡大について、「総務省の人口統計に合致している。人口のピークアウトから少し遅れる形で急速に売れ始めた」と話し、増加する単身世帯や夫婦二人世帯のニーズに合致していることが想定される。現在、同社では来年12月の稼働を目指し聖籠ファクトリー敷地内に新工場を建設中。今後も需要拡大が見込めるパックごはんの供給体制整備を進めていく。

今年度の商品戦略については、「サトウのごはん」では他にはない圧釜炊き製法をテレビCMを中心に継続訴求。「サトウの切り餅」についても、「ながモチフィルム」による品質訴求をテレビCMで同じく訴求。また、年々販売数量の拡大が続くバラエティ製品群、「サトウの切り餅 いっぽん」や「サトウの切り餅 シングルパックミニ」の育成を続ける。「サトウの切り餅 シングルパックミニ」ではテレビCMに加え、味の素「丸鶏がらスープ」とのコラボレシピ「鶏餅湯」などレシピ訴求に注力。今年も東京でリアルイベントの開催を予定。さらにSNSでは、リュウジとのコラボ企画を継続する。

商品面では、年末年始企画として「サトウの切り餅 シングルパックミニ」で「SPY×FAMILY」とのコラボパッケージを発売予定。発売11周年を迎えた「サトウの切り餅 いっぽん」のパッケージデザインも刷新し、商品の魅力を訴求する「#おもち大作戦2025」を実施する。

鏡餅では今年も年末に向けてテレビCMを放映するほか、商品面では化粧箱のパッケージデザインを刷新。グループ会社のうさぎもちでは、化粧箱サイズを全サイズで減容化する。なお鏡餅の受注締め日は10月31日。

2025年9月1日付

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