プレモルは今年も〝神泡〟戦略継続
サントリーホールディングスは1月10日にサントリーホールで会見を開き、国内酒類事業の2019年方針を各事業会社から発表した。
冒頭、国内酒類事業を統括するサントリーBWSの鳥井信宏社長は、18年の国内酒類事業を振り返り「ザ・プレミアム・モルツ、ハイボール、缶チューハイが牽引し前年比101%で着地した」と説明。市場環境が年々変化し今後の対応の難しさが問われているが、「そんな時こそメーカーは先んじて動かなくてはいけない。今年も新たな需要創造に向けた取り組みで、販売目標103%を目指す」と力強く語った。
サントリービールの18年実績は事業計6993万c/s(前年比98%/大瓶換算)。山田賢治社長は「ビールテイスト飲料市場は昨年96%と14年連続で縮小。10月には消費増税、今後は酒税法改正も控える」と市場を取り巻く環境変化を危惧する。
そこで19年は「バリューアップ」「イノベーション」による市場活性化と需要創造へのチャンレンジを方針に掲げた。
主力ブランドでは「ザ・プレミアム・モルツ」は、昨年から好評の神泡活動を継続する。「美しい泡は、うまさの証。神泡。」をコミュニケーションメッセージに、ビールの選択基準を〝泡〟に変える取り組みを行う。家庭用は神泡デザイン缶、業務用は泡に文字、イラストが描ける神泡デザインアート機の導入、2月には東京・八重洲に旗艦店もオープンする。年間を通じた販促展開で1730万c/s(101%)の販売を目指す。
新ジャンルの「金麦」はブランド史上最大の攻勢を仕掛ける。発売13年目にして初の大刷新を行い、多様化する食卓に相応しい「麦のうまみ」「澄んだ後味」の味わいに仕上げた。2月5日には本格コク系の新商品「同〈ゴールド・ラガー〉」を発売。プレモルで培った本格二段仕込製法で豊かな麦のコク、独自技術HHS製法による後味の締まりと苦味にこだわった。3~4月には過去最大規模の6600GRPのテレビCMを集中投入する。年間販売目標は3750万c/s(108%)。
また、新ジャンルでは本格キレ系を提案する新商品「マグナムドライ〈本辛口〉」を4月2日に発売。「金麦」とともに新ジャンル市場を牽引する。
ノンアルコールビールテイスト飲料「オールフリー」は「ノンアル維新!」をテーマに、中味リニューアルによる進化したのど越しを訴求。年間販売目標は710万c/s(104%)。
夏場には料飲店専用で氷を入れたジョッキで楽しむ「アイス・ドラフト〈生〉」でビールの新価値を提案。希少品種レモンドロップホップの爽やかな香りと上質な苦味で、氷を入れても十分な飲みごたえを実現した。
さらに今年は天然水を使用する「サントリービールのものづくりの理念」の発信を強化。「天然水のビール工場」を起点に、ものづくりの理念をコミュニケーション、製品パッケージで多層展開する。
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