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創業50年で新たな方針打ち出す/セブン―イレブン

投稿日:2023年5月1日

今秋SM的な大型店を構想

永松文彦社長

1974年5月に第1号店をオープンし、国内店舗数が2万を超え名実ともに国内トップのコンビニエンスストアに成長した「セブン―イレブン」(セブン―イレブン・ジャパン)が、今年50年目を迎えた。4月20日の記者発表会では50年間を振り返るとともに今後の運営方針として、新たなスローガンや大型店舗計画、50周年アンバサダーにイチロー氏が就任したことなどを発表した。

セブン―イレブンは首都圏を中心に店舗拡大を進め76年に100店舗、6年半後に1000店舗、30年目の03年8月に1万店舗を達成。19年7月には47都道府県への出店も完了し、国内店舗数は今年3月末時点で2万1389店舗となった。

朝7時から夜11時までの営業時間と年中無休を分かりやすく伝えるため、76年11月に放映開始した初めてのテレビCMでは、後に名キャッチコピーと謳われた「開いててよかった」のフレーズで紹介したが、前年6月には客からの要望に応えてコンビニ初となる24時間営業をスタートしていた。

また、超定番商品であり年間22億個超を販売する「手巻きおにぎり」は78年に専用シートの開発に成功、おでん79年、店舗で淹れたコーヒーの販売83年、PBは07年など、いずれもコンビニでは初。店舗サービスにおいても宅配便の取り次ぎ81年、POSシステム導入82年、公共料金収納代行87年、電子マネー導入07年など多くのサービスを他のコンビニに先駆けて展開してきた。しかし大半は、客の声「あったらいいな」に耳を傾け、実現してきたのだという。

50年目を迎えた今年、運営会社であるセブン―イレブン・ジャパンは4月20日に都内で記者発表会を行い、永松文彦社長が新たな行動方針や運営計画などを掲げた。永松社長は創業当初を振り返り、「開いててよかった」に加えて09年に掲げた新キャッチコピー「近くて便利」を、客や店舗オーナーの声などから実感できることが「何よりも嬉しい」と語った。

次の50年に向けては両キャッチコピーを踏襲しつつこれらを踏まえた新たに目指す姿として、地域共創や社会課題解決に向けたスローガン「明日の笑顔を 共に創る」を発表。具体的には初めての取り組みとして、地元の食材を使用した商品・メニューを開発して販売する「地域フェア」を、各地域で年2回開催する。

また、新コンセプトの店舗「SIPストア」構想を明らかにした。従来の店舗面積の1.5倍の大型店で利益確保を重視し、生鮮食品・冷凍食品やファストフード、化粧品を販売するなどスーパーマーケットの要素も取り入れる。時期や地域は現在検討中で、秋ごろまでにはテスト出店したい考え。

発表会の最後には、50周年アンバサダーに就任した元プロ野球選手のイチロー氏(本名:鈴木一朗)がビデオで登場。今年50歳になるイチロー氏は「同じ節目を迎えて縁を感じる。51年目も共に挑むことを楽しみたい」とコメントを寄せた。

2023年5月1日付

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