アジア制し世界進出を展望
くら寿司(田中邦彦社長)の台湾の子会社であるKura Sushi Asia Co.,Ltd.(西川健太郎董事長兼総経理)は9月17日、台湾証券市場タイペイエクスチェンジで上場を果たした。日系飲食業の子会社の台湾上場は初。同日、オンラインで会見した。
田中社長は2020年を「第二の創業期と位置付ける」と力強く語り、今回の上場を弾みとした将来を展望。現在の国内476店、海外55店(台湾29店、アメリカ26店)を30年中に1千店、売上高3千億円(国内・海外ともに1500億円)に高めると語った。
台湾での上場はアジア圏での店舗網拡大を見据えた資金調達と、優良な人材や物件の獲得が狙い。アジア市場への登竜門といえる台湾、そして世界人口の22%を占めるアジアを制して世界進出をうかがう構えだ。台湾では14年の出店開始から順調に拡大を続け、19年度は約70億円を販売。今後は年間5~10出店し、台湾50店舗超、アジアで200店舗体制を目指す。
西川董事長は日本式フォーマットが主な好調の理由と分析した。台湾では日本食が愛好され、飲酒より食事を楽しむ文化があることから、ビッくらポンなどのエンターテイメント性が支持されている。台湾ではすし1皿を日本より約35%高い40元で販売するが、日本式サービスで付加価値を高めて納得感につなげた。
また、田中社長は抗菌寿司カバーの先行展開が同業他社との大きな差別化になると断言。衛生面の観点からも安全安心が世界で戦う上で欠かせないと語気を強めた。
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