サステナブル農法を伝えるきっかけにも
UCC上島珈琲は、現地を中心に取り扱ってきたハワイコナコーヒー直営農園産コーヒーを初めて公式オンラインストアで販売を開始。「UCC直営農園 ハワイコナ アナエロビコ(豆)」(100g、税送料込5,600円)として、9月18日から数量限定発売している。
発売初日には東京本部(東京都港区)で会見を開き、農事調査室の中平尚己室長が、農園、コーヒー豆の特長などを説明した。ハワイコナコーヒー直営農園は、1989年に開園。ハワイコナの伝統的な味を守るため、アラビカ二大品種の一つでハワイの伝統品種でもあるティピカ品種を主に栽培する。しかしティピカ品種は病害虫に弱く、一本の木に成る実の量も多くなく、生産効率も高くないため年間収穫量は4.5tにとどまる。
また現在、世界的に注目されるのが「コーヒーの2050年問題」。気候変動やコーヒー農家の脆弱性を背景に世界的にコーヒー豆の生産量が減少し、2050年には半減するのではと危惧される。今後は、今ある農地の保護や再生を行うことで、生産量を増やすことが求められている。
そこで同農園では、コーヒーの未来を見据えサステナブルな農業に取り組む。気候変動対策として強い日差しに弱いコーヒーの木に木陰を作るシェードツリーを植栽し、生物多様性の促進にも寄与。さらに病虫害耐性のある接木や、地表から30cm残し木を切り更新させるカットバック、育苗、コーヒーチェリーの果肉除去の際に発生するチェリースキンなどを肥料として土に戻している。
観光農園としての役割も担い、これまでは現地の売店、ECでの販売が大半だったが、今回オンラインストアでも販売する理由について中平室長は「農園でのサステナブルの取り組みも伝えたかった」と明かした。
またアナエロビコ(アナエロビックファーメンテーション、嫌気性発酵)というコーヒー豆の精製を採用しており、元々持つハワイコナの豊かな酸味そのままに、酸味を調和し熟れた果実の風味が感じられる味わいに仕上がり、「ハワイコナは世界的にも貴重。ハワイの澄んだブルーの海を思わせる、クリアな味を楽しんでほしい」と自信をにじませた。
UCCオンラインストア
https://store.ucc.co.jp/item/SET2409008.html
WEB先行記事