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醤油と佃煮の町 小豆島の味と伝統守る地元企業の挑戦

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人気の観光地小豆島の食を支える

国内外から多くの観光客が押し寄せる、瀬戸内海の離島、小豆島。周辺地域で都市開発が進む中、GWには多くの観光客で賑わいを見せた。今回は、人気の観光地である小豆島の食を支える地元企業2社に話を聞いた。

丸島醤油:木桶で育まれる伝統の味

丸島醤油は江戸時代後期からの蔵元をまとめ1942年から新たに醤油造りをスタート。1950年に現在の丸島醤油株式会社を設立した。確かな味と品質で世代を超えて愛される醤油を作り続けている。
醤油は昔から続く木桶での醸造にこだわる。木桶醤油の流通量は全体の1%程度とされ、手間と時間がかかることからもその価値が伝わる。同社では通常1~2年ほど熟成・発酵に時間をかける。再仕込み醤油ともなると3~4年もの歳月が必要だという。出来上がった醤油はシンプルながらも飽きが来ない味わいで、煮物にも良し、刺身にも良しの万能タイプと評判だ。
昨年から醤油の魅力を提案する新たな取り組みとして、醤油もろみのしぼりたてを楽しむ「ぽ樽(ぽたる) もろみ搾りセット」を発売。木桶をモチーフにした磁器容器に醤油もろみを入れ、おもしを載せると、ぽたぽたと受け皿に醤油がたまり、搾りたての風味が味わえる商品だ。
さらに、同社では醤油のみならず、ぬか漬けの素も手がけ、漬け物文化の継承に取り組む。今年のGWには、同社入り口の店舗でぬか床かき混ぜ体験を開催し、多くの子供たちが楽しい時間を過ごした。子供たちが自らの手でぬか漬けを作り、その過程で食の大切さや素材の重要性を学ぶ機会となった。
丸島醤油は、伝統の醤油作りを受け継ぎながら、新たなアイデアや取り組みを通じて食文化の発展に貢献し続けている。今後も同社の挑戦に期待が寄せられる。

宝食品:創業以来の味と製法を守る

宝食品は1948年の創業以来、佃煮製造を中心に数々の商品開発に取り組んできた。同社は小豆島の豊かな恵みを活かし、原料の品質に厳しくこだわり、創業以来の伝統の味と製法を守りながら、佃煮や惣菜、釜めしの素、レトルト商品などを提供してきた。
同社の代表的な商品である佃煮は、地元の素材を活用したこだわり品。小豆島産の生のりや醤油を使用し、小豆島の工場で炊き上げた「小豆島生のり」や、テレビでも取り上げられた小豆島産のオリーブ葉茶を加えた「オリーブ茶のり」は多くの支持を集めている。
また、地域の活性化にも取り組んでおり、クラフト市「豆まめ市場」やオリーブマラソンなどの地域イベントに積極的に参加している。特に毎年約3,000人が参加するオリーブマラソンでは、炊き込みご飯の素をお土産として提供するなど、地元企業の強みを活かした販促活動を展開している。
さらに、2020年にリニューアルオープンを果たした直営店「京宝亭」では、コロナ禍で一時中断していた飲食の提供を、今年からGW期間限定で再開し、地元の名産品である素麺を提供。京宝亭には多くの観光客が訪れ、地域の魅力を再発見する機会が生まれた。
今後、さらなる観光客増加が見込まれる。同社は伝統の味と製法を守りながら、小豆島の発展に貢献していく。

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