自動運転トラックを実証

T2の森本成城CEO(中央)と、物流4社の社長
自動運転システム開発のT2社と、酒類・飲料の物流子会社4社(アサヒロジ、キリングループロジスティクス、サッポログループ物流、サントリーロジスティクス)は、6月9日から自動運転トラックを用いた幹線輸送の実証を開始した。「2024年問題」を背景にトラックドライバー不足が深刻化し、輸送能力の低下が危惧される中、新たな輸送体制の構築を図る。
酒類・飲料業界は、他業界に比べて輸送量、トラックの運行数が多く、特に需要が高まる季節はドライバーの確保が困難になる事態も予想される。輸送能力の低下により消費者への製品供給が遅れるリスクが高まっており、持続可能な輸送体制の構築が喫緊の課題となっている。
今回の実証では、6~11月にかけて関東・関西間の高速道路の一部区間で計16回(8往復)を予定。T2の「レベル2」段階の有人の実験用車両に4社の貨物を積載し、自動運転の走行ルート、走行リードタイム、物流品質、想定したオペレーションパターンの有効性を検証する。実証で得られたデータを分析し、2027年には「レベル4」段階の無人による自動運転トラックでの輸送を目指す。
6月の実証ルートとしては、①往路:キリンビール横浜工場→同神戸工場、復路:アサヒビール吹田工場→同茨城工場、②往路:サッポロビール千葉工場→同大阪物流センター、復路:サントリープロダクツ宇治川工場→サントリー海老名配送センターの輸送を計画。
5日に都内で会見を開き、T2の森本成城CEO、物流4社の社長がそろって登壇。T2は、これまで多くの企業と自動運転トラックの実証を行ってきたが、一つの業界に対して一企業との取り組みが多かった。しかし、今回は酒類・飲料の物流4社と同時に実証でき、森本CEOは「まさに酒類・飲料の物流業界としてのデータが収集できる機会になる」と意気込みを語った。
2025年6月16日付