内容量見直し新規獲得へ
主力ブランドによる基盤固めと、付加価値商品による新市場創造を、レギュラーコーヒーの年間戦略に掲げるUCC上島珈琲。上期は「職人の珈琲」のリニューアル、アイス提案、機能性コーヒーバッグが奏功し市場の活性化に寄与した。そして下期は、本丸「ゴールドスペシャル」の強化に着手する。
「ゴールドスペシャル」といえば、家庭用レギュラーコーヒー21年連続売り上げナンバーワンの市場の雄。しかし、世帯人数の変化からレギュラーコーヒーの内容量のニーズは、大容量(400g以上)から中容量(250~399g)へのシフトが進む。粉タイプ400gの「ゴールドスペシャル」は、「多い」「飲み切るまでに酸化する」といった声もあり課題としていた。そこで今回内容量と併せ、味わいの見直しに踏み切る。
新「ゴールドスペシャル」は、コーヒー豆の個性を最大限引き出す単品焙煎、ブレンドを進化させることで滑らかな後口に仕上げた。内容量も粉(スペシャル、リッチ、モカ、キリマンジァロ各ブレンド)400g→330g、豆(スペシャル、リッチ各ブレンド)360g→300gと使い切りやすいサイズを採用した。なおアイスコーヒー粉320g、ワンドリップコーヒー8g×15袋は変更なし。
パッケージデザインもよりスタイリッシュに一新。テレビCM、店頭販促などプロモーションにも力を入れ、新規ユーザー獲得、継続ユーザーのロイヤリティーアップを促進。ブランド計で初年度販売150万ケースを目指す。
8月3日のオンライン発表会で、マーケティング本部嗜好品マーケティング部の渡邊志織部長=写真=は「これまで以上に本格感、上質感といったゴールドスペシャルのこだわりを伝える」と語り、プレミアムブランドとしての地位確立を誓った。また需要期に向けた嗜好品、ドリンクの取り組みにも言及した。価格表記がない商品はオープン価格。
春に立ち上げた健康訴求ブランド「珈琲生活プラス」からは、食後の血糖値対策に向けた機能性表示食品「ワンドリップコーヒー」(12g×5袋)、1杯に乳酸菌100億個を配合した「乳酸菌ラテ カフェラテ/カロリーハーフ」(7P)を9月6日から発売。「おいしいカフェインレスコーヒー VP」(200g)も同日からパッケージリニューアル。環境に配慮しプラスチック使用量を削減。独自開発のWバリア層フィルムでより劣化を防ぎ賞味期限が12カ月→18カ月に延長した。
ドリンクでは、デカフェ(カフェインレス)の小型PET「COLD BREW DECAF」(500mlPET、170円)を発売。春から展開し好調な「COLD BREW」のラインアップを増強して、デカフェでも十分なコーヒー感とコクにこだわった。下期もキーメッセージ「香るどブリュー」を継続発信し、ブランドの認知向上を図る。
リキャップ缶の新商品「BLACK 無糖 RICH」(275g/130円、375g/140円)は9月20日発売。従来品の1.2倍のコーヒー量、高温・低温の2温度帯抽出、無香料で仕上げドリップコーヒーのような深いコクとキレのある後味で立体的な味わいを表現した。
「THE DRIP 無糖/甘さひかえめ」(1000ml紙)は9月6日からパッケージリニューアル。改めて同社社員でジャパンブリュワーズカップ2018チャンピオンの中井千香子氏が監修した、芳醇な味わいのネルドリップコーヒーを訴求する。また「紅茶の時間 ティーウィズ柚子 低糖」(930mlPET)を発売。厳選茶葉使用で爽やかな柚子風味の低糖フレーバーティー。
2021年8月23日付