ゼロカラの超高速凍結技術、国分グループ共創圏で実現
老舗豆腐メーカーが世界に挑戦する。2020年11月の発売から累計6,000万本を売り上げた「豆腐バー」を販売するアサヒコは、4月中旬からシンガポールでの販売を開始する。その世界戦略を支えるのが、国分グループ本社と業務提携したゼロカラ社の超高速凍結技術。日本同様の品質を、現地でのチルド販売で可能にする。
アサヒコは1972年に埼玉県行田市で朝日食品として日配食品事業を開始。1999年に業界初となる豆腐の2連タイプを開発し、大ヒット。現在、家庭用油揚げではトップシェアを誇り、2016年に現社名に変更。3月27日に都内で行われた事業戦略発表会で、池田未央社長は「たんぱく質格差社会の到来を懸念している」とし、豆腐バーへのさらなる期待を寄せた。日本の伝統食・豆腐を植物性のたんぱく源と再定義。豆腐バーは絹ごし豆腐の2.7倍のたんぱく質を含有し、サラダチキンをベンチマークにしたもっちり食感。そして場所を選ばない簡便性が魅力。
2021年に発売した具材入りタイプは、究極の〝タイパ飯〟。発売以来好調な売れ行きが続き、すでにプレーンタイプを上回る販売・成長率に。この他ひと口サイズのサラダ豆腐も発売するなど、バリエーションも幅広い。池田社長は、来年には累計販売本数は1億本に達し、2026年には売上高全体の50%まで引き上げる考えを示した。
4月からは行田工場に3本目となる新ラインを追加し生産体制を強化するとともに、国分グループ本社、ゼロカラ社との協業により4月中旬からシンガポールでのテスト販売を開始する。日本の豆腐市場は、成長率マイナス2.4%(過去5年)と縮小傾向にある一方、世界ではすでに日本の約2,000億円を大きく上回る約25億㌦に達し、3年後には約34億㌦(成長率5.1%)まで拡大するという試算もある。健康志向の高まりを背景に低脂肪・高たんぱくな豆腐への関心が高まっている。
シンガポールでは、まずは「豆腐バー 旨み昆布」単品でのテスト販売を実施。高齢化が進む同国では健康志向の高まりとともに、日本食人気は高い。円安環境も追い風と判断した。また、年内に具材入り生産ラインでのハラル認証取得を目指し、2025年にはシンガポールでの販売強化に加え、ムスリム圏、台湾・香港に販路を拡大。アジア圏での販売拡大を経て2026年には売上高海外比率10%、2027年以降には欧米への販路を広げ、30%まで高めていく。
また今後の事業拡大を進める上で、2月1日付で大塚製薬や大塚食品で大豆食品のヒット商品輩出に携わった、〝必殺ダイズ仕事人〟の異名を持つ、嶋裕之氏をマーケティング本部長として迎えている。
アサヒコ https://www.asahico.co.jp/
ゼロカラ https://zerokarainc.com/
国分グループ本社 https://www.kokubu.co.jp/
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