2030年に売り上げ100億円を計画
味の素は、中核事業であるアミノ酸の新領域として認知機能対策に乗り出している。西井孝明社長=写真=は5月19日のオンライン会見で新たな取り組みを発表し、「味の素にしかできないアミノ酸の力で、認知機能に不安がない社会を築きたい」と話した。
期待の新商品に挙げるのが自社通販「味の素ダイレクト」限定で5月25日から発売する、機能性表示食品のサプリメント「脳活セブンアミノ」(4.0g×60本、税込9720円)。7種必須アミノ酸(特許組成)の働きにより認知機能の一部である注意力と認知的柔軟性の維持、前向きな気持ちをサポートする。口溶けがよく飲みやすいアセロラ味の顆粒状で、記憶力の衰えを感じる健康な中高年をターゲットに1日2本の摂取を勧める。初年度売り上げは約3億円(消費者購入ベース)を計画。
生活習慣の改善を促進する、スマートフォン専用の無料アプリ「100年健脳手帳」も公開。国立長寿医療研究センターとの認知機能に関する共同研究の成果を活用した。食事、運動、睡眠を指標としたユーザーのデータを将来の認知機能の観点から分析し、同社キャラクター「アジパンダ」が認知機能の維持に必要な栄養素が摂取できるレシピをアドバイスする。
超高齢化社会を迎え、加齢に伴う認知機能の低下が大きな社会課題になっている。同社では「認知機能維持サポートソリューションの構築」を進めており、昨秋から採血で認知機能低下リスクを評価する「アミノインデックス リスクスクリーニング」を開始。さらに今回発表した「脳活セブンアミノ」「100年健脳手帳」に加え、今後はNeU社との脳トレーニングの共同開発や保険会社との協業などパートナー企業とのコラボレーションも視野に入れる。
西井社長は認知機能の維持・向上は、生活の質の維持・向上とともに、医療や介護といった社会全体の負荷軽減にもつながると指摘。ビジネスにも大きなチャンスがあり、2030年までに認知機能分野での売り上げ100億円を構想する。
味の素ダイレクト
https://direct.ajinomoto.co.jp/
「100年健脳手帳」サイト
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/brainhealth
2021年5月31日付