2社協力で新しい食品スーパー作りに挑戦

初めて美咲姫牛を販売。精肉売場に大きな変化が

平田社長
ダイエーは3月15日、「ダイエーグルメシティ住道店」(大阪府大東市)をリニューアルオープン。ダイエーとその子会社である光洋が協力して新しい食品スーパー作りに挑んだ初めての店舗。
同店舗は1972年に住道ショッパーズプラザとして開業、約53年にわたり展開してきた。競合の増加など商圏環境の変化により、ニーズ対応が行えるよう品ぞろえ・鮮度・価格・売り方などを大きく刷新し、新たなスーパーマーケットの確立を目指す。
大きく変わったのは生鮮食品。青果や鮮魚の鮮度が向上し畜産は光洋で展開するブランド肉を初めてダイエーで採用。デリカや加工食品でも両社が共同で開発した商品を投入し、ベーカリーの強化も実施。多くのカテゴリーで買いやすい価格も実現、来店客に喜ばれる鮮度・品ぞろえ・価格を提案する店舗に生まれ変わった。こうした改革を行うべく両社では昨年10月から、新しい店作りを協力して行うプロジェクトを発足。そのリーダーである光洋・平田炎社長は同店舗について「これまで業績を優先しすぎて顧客ニーズへの対応がおろそかになっていたところがある」と反省点をあげ「今回の店作りはコストよりも顧客を重視する」と宣言したことを明かした。
青果は市場からダイエーのセンターに商品を集めた上で店舗に配送していたが、鮮度を重視して市場から店舗へ直送。市場バイヤーを配置し、今まで以上に仕入を重視した体制とした。水産では光洋に出向して経験をつんだ鮮魚担当者を同店に戻し、加工センターのみでの加工から店舗加工も行えるようにして鮮度感をアップ。畜産はダイエーの場合、グループのアルティフーズからの仕入れが95%程度となるが、同店ではこれを止めて光洋の八尾センター活用に切り替えた。光洋のセンターからダイエー店舗に商品が供給されるのが初めてなら、ダイエー店舗としてもオリジナルブランドの「さつま姫牛」を販売せず、代わって「美咲姫牛」という交雑種を販売することも全て初めてというチャレンジングな取組みが満載。デリカでは店内調理の「彩りサラダ」を光洋と共同開発したほか「ララベーカリー」を導入して差別化を図る。
また加工食品では常温保存ができてレンジ調理にも対応した「讃岐うどん」を新たに投入。ダイエーはトップバリュの構成比が高いが、顧客に新たな商品展開を伝える必要性からトップバリュと異なる、ダイエーと光洋のオリジナル商品として訴求する。こうした商品作りは今後も続ける予定で、これが競合との差別化にもなると期待される。さらに購買頻度の高い商品は日替わり・週間・月間で「Saving価格」としてお買い得感も演出。
今年に入りイオンによるグループ企業の再編が続いている。同店舗の店作りをダイエーと光洋が共同で取り組んだのも、いずれは両社の経営統合を見据えてのこと。改装オープン当日は、これも初めてとなる両社のスタッフが入り混じって作業に当たる光景が見られた。その結果、どのような店作りが行われるのか注目される。
【店舗概要】所在地/大阪府大東市赤井1-4-1▷売場面積/495坪(直営490坪)▷店長/上西浩史▷営業時間/9~22時▷従業員数/95人(正社員15人)
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