年間焼加工は2.2億枚体制へ

新福岡工場

さらなる成長を誓う稲野社長
大森屋は3月25日、福岡県柳川市の新福岡工場でお披露目会および見学会を開催した。協力会社や報道関係者ら約44人が出席し、新工場の本格稼働の節目を見守るとともに、最新設備を備えた製造現場を視察した。
当日は冒頭、稲野達郎社長が新工場の概要と建設の狙いについて説明。同工場は旧福岡工場の敷地内に建設を進めてきたもので、2025年9月に竣工、今年3月より本格稼働を開始した。自動ラインや新システムの導入により、生産性向上と業務効率化を一体的に推進。27年度を目標に、データ活用を軸とした「スマート工場」の実現を目指す。加えて、工場内の温湿度を適切に管理することで品質の安定化を図るとともに、従業員の作業環境改善にも注力している。
また、1日当たりの焼加工枚数は現状の70万枚から最大95万枚へ引き上げられるほか、月間では1400万枚から最大1900万枚、年間では1億6800万枚から最大2億2800万枚へと増強される見込み。需要の変動にも柔軟に対応できる供給体制を整え、安定供給力の一層の強化を図る。

設備増強、最大焼加工枚数は年間2.28億枚
さらに、自動化の推進により、生産数量の増加にとどまらず、収益性の向上、品質の均一化、コスト削減を同時に実現。省人化による人員配置の最適化も進めている。卓上海苔製品の製造ラインでは、海苔のサイズや容器形態の切替に柔軟に対応できる設計とし、多様化する商品ニーズにも応えられる体制を整備した。これにより、新商品の投入や仕様変更にも迅速に対応可能となる。
環境面への配慮も強化している。工場屋根には太陽光発電設備を設置し、年間約190tのCO2排出量削減(約17%削減)を見込むなど、SDGsへの対応を推進。エネルギー効率の向上と環境負荷低減を両立した工場運営を目指す。
新工場は鉄骨造地上2階建てで、敷地面積6285㎡、延床面積約5574㎡。工場内にはフル稼働時でも余剰スペースを確保しており、将来的な設備増設やライン拡張にも対応可能な設計とした。今後の需要拡大や新たなヒット商品の創出にも柔軟に応じられる生産基盤を構築している。
稲野社長は、1975年に旧福岡工場の建設を決断した先々代・稲野幸治氏と、当時福岡で入札を担当した先代・稲野龍平氏の挑戦に触れ、「当時は現在の売上規模の9分の1という状況の中で、大規模工場建設に踏み切った。その〝ド正念〟の精神が今日の成長につながっている」と振り返った。そのうえで「人口減少や国際情勢の不安、原料海苔の生産不安など厳しい環境が続く中、役員・従業員一丸となり、この新工場に〝ド正念〟を込めて、より強い企業体質を築いていく」と述べ、さらなる成長に意欲を示した。
また、設計・施工を担当した中設エンジの今井重利社長は「一昨年9月の着工以来、関係各位の協力のもと大きな事故もなく本格稼働を迎えることができた。旧福岡工場同様、長期にわたり活躍する拠点となるよう、今後も支援を続けていきたい」と語り、今後の連携強化に意欲を見せた。
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