国内製粉拠点としては40年ぶり。中京地区再編へ

ニップン知多工場

前鶴社長
ニップンは愛知県知多市に建設していた新製粉拠点「知多工場」を完成させ、2月から稼働を開始した。5日には報道陣に公開するとともに、名古屋市内のヒルトン名古屋で前鶴俊哉社長が工場の概要を説明した。創業130周年を迎えた同社にとって製粉工場の新設は福岡工場以来約40年ぶりとなる。
知多工場は、大型穀物船が接岸できる臨海立地を生かした最新鋭の製粉工場。中京・近畿地区の製粉工場再編の一環で、神戸甲南工場の増強や大阪工場の閉鎖に続くもの。今後予定する名古屋工場の閉鎖により同地区の再編が完了する。知多工場の稼働により、同社の臨海工場比率は83%から95%に高まる。
前鶴社長は「感慨深い。2022年に策定した新たな経営理念を体現する拠点の一つ」と述べ、「更新投資に近いが設備増強であり、基盤事業である製粉を着実に伸ばす核となる。一言で表せば懐の深い工場」と位置付けた。

空撮全景

原料受入
知多工場は自動化技術とDXを活用したスマートファクトリーとして設計。流量や製品分析の自動測定・調整による製品切り替えの自動化、工程の可視化やビッグデータ活用、生体認証による入退場管理などを導入した。立体自動倉庫ではロボットによる自動仕分け・搬送システムを採用し、荷役作業の省人化やトラック待機時間の削減など物流効率化にもつなげる。
また、沿岸立地を踏まえた災害対策として建物1階床レベルをかさ上げし、主要電気設備を2階以上に配置。太陽光発電設備の導入や使用電力の実質再生可能エネルギー化、ZEB Ready取得など環境対応も進め、同社初のカーボンニュートラル工場としている。
同社は2030年までの長期ビジョンのもと、基盤事業の収益力強化と新領域への投資を進めている。2025年2月には米国ユタ州の製粉新工場が稼働。2027年には連結子会社畑中食品(鹿児島県出水市)の冷凍食品新工場やR&Dセンター、ベトナムのプレミックス工場稼働なども予定しており、知多工場は国内外工場のロールモデルとなる拠点と位置付ける。
なお5日午後には、ヒルトン名古屋で竣工披露パーティーを開催し、取引先など約380人が出席。このうち約270人が工場見学を行った。来賓として愛知県の大村秀章知事、農林水産省東海農政局の秋葉一彦局長、敷島製パンの盛田淳夫社長があいさつし、岡常商事の岡敬太郎社長が乾杯の発声を行った。
【知多工場概要】
所在地=愛知県知多市北浜町24の62▽敷地面積=3万5,820㎡▽主な建物=工場本館、事務所棟など(7階建て)▽総工費=約255億円▽工場長=小松一彦▽設備能力=小麦挽砕能力600t/日(2ライン)▽生産品目=業務用小麦粉(約100種類)。製粉サイロ約5,000t、立体自動倉庫は約20万袋相当を保管可能。将来的に1ライン増設できるスペースも確保している。
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